
更年期障害とは?症状・原因・対処法を徹底解説【セルフチェック付】
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「最近、なんだか疲れやすい…」
「夜、なかなか眠れない」
「肩こりがひどくなった気がする」
こんな症状に心当たりはありませんか?
実は、日本人女性の約51%が「疲れやすさ」を、約60%が「肩こり」を、約30~40%が「不眠」を更年期の症状として感じています(※)。
仕事に集中できない、家事がつらい、家族にイライラしてしまう…そんな自分を責めていませんか?
でも、それはあなたが悪いわけではありません。
更年期障害は、女性ホルモンの変化によって自律神経が乱れることで起こる体の自然な反応です。適切なケアで症状を緩和できます。
この記事では、更年期障害の症状をセルフチェックできる「SMI(簡略更年期指数)」をご紹介。10問の質問に約3分答えるだけで、自分の状態を客観的に把握でき、「これくらいで病院に行っていいのかな?」の答えが出ます。
看護師監修のもと、自律神経を整えるセルフケアから専門治療まで、あなたに合った対処法を見つけるための情報をわかりやすくお届けしましょう。
※出典: 廣井正彦ほか:日本産科婦人科学会雑誌 49:433-439, 1997(大塚製薬「更年期ラボ」より)
更年期障害とは何歳から始まる?45〜55歳の閉経前後に起こる心身の不調
更年期障害は、閉経前後の約10年間(一般的に45〜55歳)に起こる心身の不調です。閉経の平均年齢は約50歳ですが、個人差が大きく、早い人では40代前半から症状が現れ始めます。
まずは、更年期障害がなぜ起こるのか、その原因から見ていきましょう。
40代から始まるエストロゲンの急激な減少が主な原因
更年期障害の最大の原因は、エストロゲン(女性ホルモン)の急激な減少です。
40代に入ると卵巣機能が低下し、エストロゲンの分泌が不安定になります。

脳の視床下部が「もっとエストロゲンを出して」と指令を出し続けますが、卵巣はすでに機能が低下しているため応えられません。この混乱が自律神経の乱れを引き起こし、ホットフラッシュ、動悸、発汗、めまいなどの症状が現れます。
また、セロトニンの減少により、イライラ、不安、気分の落ち込みといった精神症状も起こりやすくなるのです。
更年期症状と更年期障害の違いは日常生活への支障の有無
更年期に現れる不調には、「更年期症状」と「更年期障害」の2つがあります。この2つは連続したグラデーションのようなもので、明確な境界線があるわけではありません。「今日は大丈夫だけど、明日はつらい」というように、日によって波があるのも更年期の特徴です。
更年期症状とは?
更年期に現れる軽度の不調のことで、約80%の女性が何らかの症状を経験します。「少し疲れやすい」「たまにイライラする」「軽いほてりを感じる」程度で、日常生活に大きな支障はありません。セルフケア(食事・運動・睡眠の見直し)で対応できることがほとんどです。
更年期障害とは?
更年期症状の中でも、日常生活や仕事に支障をきたすほど重い状態を「更年期障害」と呼びます。「疲れすぎて家事ができない」「イライラがひどくて家族に当たってしまう」「不眠で仕事に集中できない」など、生活の質が大きく低下している場合は、医療機関での治療が必要です。
実は、一番つらいのは「更年期だと気づかないこと」かもしれません。胃もたれ、肩こり、疲労感…こうした「よくある不調」が実は更年期の症状だったと、後から気づくケースは少なくありません。一つひとつは些細でも、毎日のように続くと、じわじわと心身が消耗していきます。「なんだか最近調子が悪い」と感じたら、一度更年期の可能性を疑ってみることも大切です。

自分がどちらに該当するか分からない場合は?
次の章で紹介する「簡略更年期指数(SMI)」を使えば、自分の重症度を客観的に判断できます。セルフチェックで51点以上なら、医療機関の受診をおすすめします。
日本人女性の更年期障害は50歳前後が症状のピーク
更年期の症状は、年齢によって段階的に変化します。
| 年代 | 症状の特徴 | 主な症状 |
| 40代前半 | 初期症状が現れ始める | 生理不順、軽いほてり、イライラ、疲労感 |
| 40代後半〜50歳前後 | 症状のピーク(閉経前後1〜2年が最もつらい) | ホットフラッシュ、発汗、不眠、肩こり、動悸 |
| 50代後半 | 症状が徐々に落ち着く | 骨密度低下、脂質異常症、泌尿器系の症状 |
日本人女性の特徴として、肩こり・疲れやすさが約60%と最も多く、欧米で多いホットフラッシュは約40%です。

症状のピークは閉経前後1〜2年間で、その後は徐々に軽減していきます。
更年期障害のセルフチェック「簡略更年期指数(SMI)」で重症度を判定
わずか10項目の質問に答えるだけで、「セルフケアで対応できるのか」「医療機関を受診すべきなのか」の判断基準として広く使われているのが、「簡略更年期指数(SMI:Simplified Menopausal Index)」です。
SMIは、日本の婦人科医・小山嵩夫氏によって開発された、更年期症状の重症度を数値化するセルフチェックツールです。医療機関でも信頼性の高い評価法として広く使用されています。
10項目の質問で0〜100点の重症度を判定できる
以下の10項目について、それぞれの症状の強さを「強・中・弱・無」の4段階で評価し、1つの項目に複数の症状がある場合は、最も強く感じる症状の点数を選んでください。
簡略更年期指数(SMI)チェック表
| 症状 | 強 | 中 | 弱 | 無 |
| 1) 顔がほてる | 10 | 6 | 3 | 0 |
| 2) 汗をかきやすい | 10 | 6 | 3 | 0 |
| 3) 腰や手足が冷えやすい | 14 | 9 | 5 | 0 |
| 4) 息切れ、動悸がする | 12 | 8 | 4 | 0 |
| 5) 寝つきが悪い、または眠りが浅い | 14 | 9 | 5 | 0 |
| 6) 怒りやすく、すぐイライラする | 12 | 8 | 4 | 0 |
| 7) くよくよしたり、憂うつになったりすることがある | 7 | 5 | 3 | 0 |
| 8) 頭痛、めまい、吐き気がよくある | 7 | 5 | 3 | 0 |
| 9) 疲れやすい | 7 | 4 | 2 | 0 |
| 10) 肩こり、腰痛、手足の痛みがある | 7 | 5 | 3 | 0 |
合計点:______ 点
点数別の評価と対応
計算したら、以下の基準で自分の状態を確認しましょう。
合計点数による重症度の判定
| 点数 | 重症度 | 対処法 |
| 0〜25点 | 軽度 | セルフケア(食事・運動・睡眠の見直し)で対応可能 |
| 26〜50点 | 中等度 | セルフケア+専門的ケア(整体・鍼灸・カウンセリング)を検討 |
| 51〜65点 | 重度 | 更年期・閉経外来の受診を推奨。ホルモン補充療法や漢方薬を検討 |
| 66〜80点 | 重度 | 長期間の計画的な治療が必要。婦人科医との継続的な相談 |
| 81〜100点 | 非常に重度 | 各科の精密検査が必要。他の疾患の可能性も考慮 |
51点以上の場合は、医療機関での治療が必要なサインです。我慢せずに婦人科または更年期外来を受診しましょう。
セルフチェックを活用する3つのポイント
- 定期的にチェックする
更年期症状は日によって波があります。月に1回程度、定期的にチェックすることで、症状の変化を把握できます。 - 受診時に持参する
チェック結果を記録しておき、婦人科を受診する際に持参すると、医師が症状を正確に把握しやすくなります。 - 自己判断だけに頼らない
セルフチェックはあくまで目安です。点数が低くても、日常生活に支障を感じる場合や、症状が3ヶ月以上続く場合は、医療機関を受診しましょう。
更年期障害の症状一覧
更年期障害の症状は多様で、複数が同時に現れたり日によって変わることもあります。以下の表で系統別に確認しましょう。

更年期障害の身体的な症状
更年期障害の身体症状は、エストロゲンの減少により自律神経が乱れることで、全身の様々な部位に現れます。以下の表で、系統別の症状と原因、そして詳しい情報が載っている関連記事を確認しましょう。
| 系統 | 主な症状 | 原因・特徴 | 詳細記事 |
|---|---|---|---|
| 血管運動神経系 | ・ホットフラッシュ(ほてり・のぼせ) ・発汗(特に夜間) ・動悸 ・むくみ |
エストロゲン減少により自律神経が乱れ、体温調節や血管の収縮・拡張がコントロールできなくなる。約40%の日本人女性が経験。 | – |
| 運動器官系 | ・肩こり ・腰痛 ・背中の痛み ・関節痛 ・手指の痛み ・恥骨の痛み ・しびれ |
筋肉や関節への血流低下、エストロゲン減少による組織の変化。日本人女性の約60%が経験する最も多い症状。 | 更年期の肩こり |
| 精神神経系 | ・頭痛 ・めまい ・不眠 ・睡眠障害 ・疲労感 ・倦怠感 |
脳内の神経伝達物質(セロトニン)の分泌低下。約30〜40%が不眠を経験し、睡眠不足が日中の疲労やイライラを悪化させる。 | 更年期で眠れない時の対処法 |
| 消化器系 | ・吐き気 ・下痢 ・便秘 ・胃もたれ ・胸やけ |
自律神経が胃腸の働きもコントロールしているため、乱れると消化器症状が現れる。ストレスとも深く関連。 | – |
| 泌尿器・生殖器系 | ・月経異常 ・尿失禁 ・頻尿 ・性交痛 |
エストロゲン減少により、膀胱や膣の粘膜が薄くなる。骨盤底筋の衰えも影響し、尿失禁が起こりやすくなる。 | – |
| 皮膚・分泌系 | ・肌の乾燥 ・かゆみ ・髪が薄くなる ・喉の渇き ・ドライアイ |
エストロゲン減少により、皮膚や粘膜の潤いが失われる。見た目の変化は精神的ストレスにもつながりやすい。 | – |
これらの症状は、更年期障害の典型的なものですが、他の病気と見分けがつきにくい場合もあります。
特に甲状腺疾患や心疾患とは症状が似ているため、自己判断せず、気になる症状があれば医療機関を受診することが大切です。
更年期障害の精神的な症状
更年期障害では、身体的な症状だけでなく、精神的な症状も現れます。エストロゲンの減少により、脳内の神経伝達物質(セロトニン)の分泌が低下し、感情のコントロールが難しくなります。
「イライラして眠れない→疲れが取れない→さらにイライラする」という悪循環に陥ることも少なくありません。精神症状が強い場合は、我慢せず、医療機関や専門家に相談することが大切です。
更年期障害の3つの原因
更年期障害は、単純に「ホルモンが減るから起こる」というものではありません。実は、3つの要因が複雑に絡み合って症状が現れます。
この3つの要因とは、「生物学的要因(エストロゲン減少)」「心理的要因(性格やストレス耐性)」「社会的要因(環境やライフイベント)」です。
同じようにエストロゲンが減少しても、症状が重い人と軽い人がいるのは、この3つの要因のバランスが人によって異なるためです。
エストロゲン減少により自律神経が乱れる
更年期障害の最も大きな原因は、卵巣機能の低下によるエストロゲンの急激な減少です。エストロゲンは全身のさまざまな機能に関わっており、減少すると以下のような影響が出ます。
40代に入ると卵巣機能が低下し、エストロゲンの分泌が不安定になります。
脳の視床下部は自律神経の中枢でもあり、エストロゲンの影響を強く受けるため、減少すると体温調節・血圧・睡眠などがコントロールできなくなり、ホットフラッシュ・動悸・不眠などの症状が現れてくるのです。
心理的要因は性格やストレス耐性
同じ年齢でも、更年期障害の症状が重い人と軽い人がいます。その違いには、性格やストレス耐性が関係しています。
- 真面目・完璧主義・神経質な性格
- ストレスを溜め込みやすい
- 自己肯定感が低い
このような性格傾向がある方は、更年期の症状をより強く感じやすい傾向があります。しかし、これは性格が悪いわけではなく、ストレスへの対処法を身につけることで症状を軽減できます。
社会的要因は環境やライフイベント
40〜50代は、仕事でも家庭でも責任が重くなる時期です。更年期の症状に加えて、以下のようなライフイベントのストレスが重なることで、症状が悪化しやすくなります。
- 仕事のストレス: 管理職としての責任、後輩の指導、長時間労働
- 家庭環境の変化: 子どもの受験・独立、親の介護、夫婦関係の変化
- 人間関係の悩み: 職場の人間関係、ママ友との付き合い、孤独感

このように、更年期障害は「身体的要因」「心理的要因」「社会的要因」の3つが複雑に絡み合って発症します。
更年期障害になりにくい人の特徴
更年期障害にならない、または症状が軽い人には、自律神経が安定しているという共通点があります。
- 規則正しい生活習慣
- 適度な運動
- ストレス管理ができている
- 十分な睡眠を取っている
この特徴を踏まえると、自律神経を整える生活習慣が症状の軽減に有効であることが分かります。
更年期障害を軽減するセルフケア(自律神経を整える生活習慣)
更年期障害の症状を軽減するには、自律神経を整える生活習慣が重要です。軽度〜中等度の方はもちろん、治療中の方もセルフケアを併用することで改善が期待できます。
食事・運動・睡眠で自律神経を整える

自律神経を整えるセルフケアは、「食事」「運動」「睡眠」「ストレス管理」の4つです。一度に全部やろうとせず、できそうなことから1つずつ始めましょう。
1.食事で自律神経を整える
大豆製品(豆腐・納豆)に含まれるイソフラボンは、エストロゲンと似た働きをするので、1日1回取り入れるだけでホルモンバランスが整いやすくなります。
青魚(サバ・イワシ)のオメガ3脂肪酸は自律神経を安定させ、ナッツ類のビタミンEは血流を改善するので、週2〜3回の青魚と、おやつ代わりにひとつかみのナッツを習慣にしてみましょう。
カフェイン、アルコール、砂糖の多い食品は控えめに。
2.運動で自律神経を整える
運動は、自律神経を整える最も効果的な方法の一つです。激しい運動は必要ありません。軽い運動を習慣にすることが大切です。
明治安田厚生事業団の研究によると、寝る前10分のヨガを3週間続けた女性は、更年期症状と抑うつが改善しました。

「毎日やらなきゃ」とプレッシャーを感じる必要はありません。週に3〜4回、気持ちいいと感じる範囲で続けましょう。
3.睡眠で自律神経を整える
質の良い睡眠は、自律神経を整える最も重要な要素です。「眠れない」という悩みを抱える方も多いですが、以下の工夫で改善できます。
- 就寝1時間前にはスマホを控える:ブルーライトは睡眠ホルモンの分泌を妨げます。
- ぬるめのお風呂(38〜40℃、15分)にゆっくり浸かる:リラックスして眠りにつけます。
- 朝は起床後30分以内に朝日を浴びる:体内時計がリセットされ、夜に自然な眠気が訪れます。
不眠が続く場合は、更年期で眠れない時の対処法の記事を参考にしてください。
4.ストレスを溜め込まない工夫で自律神経を整える
ストレスは、自律神経を乱す最大の要因です。完全にストレスをなくすことは難しいですが、「ストレスを溜め込まない工夫」が大切です。
1日10〜15分でも「何もしない時間」を作りましょう。
もし、イライラしたとき、不安を感じたときは、深呼吸をしてみましょう。

- 鼻からゆっくり4秒かけて息を吸う
- 4秒息を止める
- 口からゆっくり8秒かけて息を吐く
この呼吸を3〜5回繰り返すだけで、副交感神経が優位になり、心が落ち着きます。
「全部やらなきゃ」「完璧にこなさなきゃ」と自分を追い込まないでください。家事も仕事も、「7割できればOK」と考えましょう。「今日はこれだけできた」と自分を褒めることも大切です。
小さな一歩から始めよう
「今日は豆腐を食べてみよう」「朝、カーテンを開けてみよう」そんな小さな一歩で十分です。「少し眠れた」「肩が楽になった」という小さな変化を喜びながら、できる範囲で続けてみましょう。
セルフケアで改善しない場合は、医療機関での治療も検討しましょう。次の章では、治療法について詳しく解説します。
更年期障害の治療法
セルフケアを続けても症状が改善しない、または日常生活に支障が出ている場合は、医療機関での治療を検討しましょう。
医療機関では、主に3つの治療法が行われます。ホルモン補充療法(HRT)、漢方薬、向精神薬です。それぞれの特徴を理解し、自分に合った治療法を選びましょう。
ホルモン補充療法(HRT)は約70%が改善する即効性の高い治療
ホルモン補充療法(HRT:Hormone Replacement Therapy)は、減少したエストロゲンを薬で補う治療法です。久光製薬の調査(※)によると、約70%の方が症状の「改善」「やや改善」を実感しており、特に以下の症状に有効です。
- ほてり・のぼせ・発汗(ホットフラッシュ):約70〜80%の人が1〜2週間で改善を実感
- 不眠・睡眠障害:エストロゲンが脳内のセロトニンを安定させ、睡眠の質が向上
- イライラ・気分の落ち込み:感情のコントロールがしやすくなる
- 腟の乾燥・性交痛:粘膜の潤いが戻り、不快感が軽減
※久光製薬「ホルモン補充療法(HRT)の経験者アンケート」40~50代女性500名対象、2014年10月実施
長期的な健康効果も期待できる
HRTは症状改善だけでなく、骨粗鬆症・心血管疾患の予防効果もあります。乳がんリスクは飲酒や肥満と同程度かそれ以下で、定期検診を受ければ安全に続けられます。
HRTの種類
HRTには、以下の種類があります。
- 内服薬(飲み薬):手軽に始められる
- 貼るパッチ(経皮吸収型):皮膚から吸収。肝臓への負担が少ない
- 塗るジェル:毎日塗るタイプ。量を調整しやすい
医師と相談し、自分に合った方法を選びましょう。
漢方薬は体質に合わせて選び約82%が3ヶ月で症状が軽減
漢方薬は、体質や症状に合わせて処方される東洋医学の治療法です。ツムラの調査によると、約82%の方が3ヶ月の服用で症状の軽減を実感しています。
| 漢方薬 | 適している体質・症状 |
| 当帰芍薬散 (とうきしゃくやくさん) |
体力が弱く、貧血・冷え症・むくみがある方 |
| 加味逍遙散 (かみしょうようさん) |
疲れやすく、不安・不眠・イライラがある方 |
| 桂枝茯苓丸 (けいしぶくりょうがん) |
体力中等度、のぼせ・肩こり・頭痛がある方 |
漢方薬は即効性は低いものの、副作用が少なく体質改善が期待できる点がメリットです。保険適用で処方してもらえるため、婦人科や漢方専門医に相談してみましょう。
よく使われる向精神薬
SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)
- 脳内のセロトニンを増やし、気分を安定させる
- イライラ、不安、憂うつ感に効果的
- ほてり・発汗にも効果がある(HRTが使えない人にも有効)
SNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬)
- セロトニンとノルアドレナリンを増やし、意欲を高める
- 憂うつ感、無気力、疲労感に効果的
抗不安薬(ベンゾジアゼピン系)
- 不安や緊張を和らげ、リラックスできる
- 短期間の使用が基本(依存のリスクがあるため)
治療法を選ぶポイント
更年期障害の治療法は、症状や体質、ライフスタイルに合わせて選ぶことが大切です。
- ホットフラッシュが強い → HRT
- 体質に合わせて穏やかに改善したい → 漢方薬
- 精神症状が強い → 向精神薬
- 複数の症状がある → HRT + 漢方薬の併用
医師とよく相談し、自分に合った治療法を見つけましょう。
更年期障害と間違えやすい病気・更年期以降に注意すべき疾患
更年期障害の症状は他の疾患と重なる部分が多いため、自己判断は危険です。気になる症状がある場合は、必ず医療機関を受診しましょう。
更年期障害と間違えやすい病気
以下の病気は、更年期障害と症状が似ているため、血液検査や画像検査で鑑別する必要があります。
| 病気 | 似ている症状 | 見分け方 |
| 甲状腺機能低下症・バセドウ病 | 疲労感、動悸、体重変化、発汗 | 血液検査(甲状腺ホルモン値)で判別可能 |
| うつ病 | 気分の落ち込み、興味喪失、不眠、食欲低下 | 精神症状が2週間以上続く、身体症状が少ない |
| 貧血 | 疲れやすさ、めまい、動悸、息切れ | 血液検査(ヘモグロビン値)で判別可能 |
| 心疾患 | 胸の圧迫感、息切れ、動悸 | 心電図・心エコー検査で判別可能 |
特に、甲状腺疾患は更年期女性に多く、症状も似ているため見逃されやすい病気です。「更年期だから」と決めつけず、一度は医療機関で検査を受けることをお勧めします。
更年期以降に発症リスクが高まる疾患
エストロゲンには、骨・血管・代謝を守る働きがあります。閉経後にエストロゲンが減少することで、以下の疾患のリスクが高まります。
| 疾患 | リスクが高まる理由 | 対策 |
| 骨粗鬆症 | 閉経後は毎年2%ずつ骨量が減少 | カルシウム・ビタミンD摂取、運動、骨密度検査 |
| 高血圧・脂質異常症 | 動脈硬化が進行し、心筋梗塞・脳卒中のリスク上昇 | 減塩、適度な運動、定期的な血圧・脂質検査 |
| 糖尿病 | 内臓脂肪が増えやすくなり、インスリン抵抗性が上昇 | 食事管理、運動、血糖値の定期チェック |
これらの疾患は自覚症状が少ないため、毎年の健康診断で骨密度・血圧・脂質・血糖値をチェックすることが重要です。
受診すべきタイミングと検査の流れ
「病院に行くべきか迷う」という方も多いと思います。以下のタイミングに当てはまる場合は、迷わず受診しましょう。
-
- セルフチェック(SMI)で51点以上
中等度以上の症状があり、日常生活に支障が出ている可能性があります。 - 症状が3ヶ月以上続く
「疲れやすい」「眠れない」「イライラする」といった症状が3ヶ月以上続く場合は、更年期障害または他の疾患の可能性があります。
- セルフチェック(SMI)で51点以上
- 日常生活に支障が出ている
「仕事に集中できない」「家事ができない」「家族に当たってしまう」など、生活の質が大きく低下している場合は、治療が必要です。
- 胸痛・冷や汗などの緊急症状がある→すぐに救急外来を受診してください。
何科を受診すればいい?
- 婦人科(更年期外来・閉経外来):更年期障害の専門的な診察・治療が受けられます。
- 内科:甲状腺機能低下症、貧血、高血圧、糖尿病などの検査・治療が受けられます。
- 心療内科・精神科:精神症状(イライラ、憂うつ、不安)が強い場合。
迷った場合は、まず婦人科を受診し、必要に応じて他診療科を紹介してもらいましょう。
受診時の検査の流れ
- 問診: 症状の内容、生理の状況、生活習慣などを確認
- 血液検査: ホルモン値(エストロゲン・FSH)、甲状腺機能、貧血の有無を確認
- 画像検査: 必要に応じて超音波検査、骨密度検査
- 治療方針の決定: 検査結果をもとに、HRT・漢方・向精神薬などを提案
受診時には、SMIのチェック結果や症状をメモしていくと、診察がスムーズに進みます。
更年期障害は一人で抱え込まず適切な対処を
更年期障害は、決して「我慢しなければならないもの」ではありません。適切な対処法を知り、自分に合ったケアを選ぶことで、症状は改善できます。
まずは「簡略更年期指数(SMI)」で自分の状態を確認し、0〜25点ならセルフケア、26〜50点なら専門的ケアの併用、51点以上なら医療機関を受診しましょう。
症状別の詳しい対処法を知る
個別の症状については、以下の記事もご覧ください。
- 更年期の肩こりはなぜつらい?身体とこころの負担を減らす実践法を解説
- 更年期の腰痛にはどんな痛みがある?症状や原因・セルフケア方法を解説
- 更年期の腰痛、原因は更年期特有の身体の変化だけじゃない!出産経験も影響しているかも
- 【看護師監修】更年期になると眠れない?原因や不眠症を改善する方法を解説
女性専門の整体サロン「POWWOW」という選択肢

「薬に頼りたくない」「体に負担の少ない方法で改善したい」という方には、POWWOWの「更年期ゆらぎ整体コース」もおすすめです。
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更年期障害は、約80%の女性が経験します。
我慢せず、自分に合った対処法を選び、あなた自身を大切にしてください。
この記事のライター
看護師
1999年 看護師免許取得し、国立療養所富士病院に看護師として入職
2005年 富士宮市立病院に入職 循環器内科、呼吸器内科など多くの科を経験 (他、消化器内科、脳外科、心臓カテーテル室、内視鏡室)
2008年 呼吸療法認定士取得
2022年 子育てとフルタイム勤務の両立に悩み、退職
2022年 退職後 内視鏡クリニックとデイサービスの非常勤で働きながら フリーランスの看護師として活躍開始 webライター、セミナー講師などで活躍中 看護師の自由な働き方についてSNSで情報発信している








