
更年期障害の頭痛は続きやすい?原因や対処法をわかりやすく解説
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「最近、頭痛が増えた気がする」
「これって更年期のせい?」
と感じながらも、忙しい毎日の中でつい後回しにしていませんか。
頭痛は、我慢して放っておくと仕事や家事にまで影響が出やすく、「なんとなくずっとつらい」状態が続いてしまいがちです。
理由がわからないまま市販薬でしのいでいる方や、今の対処法が合っているか不安に感じている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、更年期と頭痛の関係をわかりやすく整理したうえで、
- 頭痛のタイプの見分け方
- 受診の目安
- 今日からできるセルフケア
をていねいにお伝えします。
頭痛が増えたのは更年期が原因かも?

更年期の時期に頭痛が増えたり痛みが変わったりするのは、めずらしいことではありません。
更年期が関連している頭痛には、出やすい年代やいっしょに起こりやすい身体の変化があります。
まずは、この時期に起こりやすい更年期と頭痛の関係から見ていきましょう。
女性ホルモン(エストロゲン)のゆらぎと頭痛の関係
更年期の頭痛には、女性ホルモン(エストロゲン)の変動が関わっていると考えられています。
このホルモンは痛みの感じ方にも影響するため、量が大きく変化する時期には頭痛を感じやすくなるのです。
参考:片頭痛 – 07. 神経疾患 – MSDマニュアル プロフェッショナル版
更年期症状が出やすい年代の目安
更年期とは、一般的に閉経を挟んだ前後10年を指し、40代後半から50代にかけての時期と重なりやすいとされています。
月経の周期や経血の量が不規則になってくる頃に、体調のゆれを感じやすくなります。この時期から頭痛が増えたり、ひどくなったりするケースも少なくありません。
参考:更年期 | 女性特有の健康課題 | 働く女性の心とからだの応援サイト
ほてりや発汗などの症状は更年期のサイン
頭痛のほかに、次のような症状もでているなら、更年期の影響が重なっている可能性があります。
- 顔がほてる・のぼせる
- 汗をかきやすい
- 眠りが浅い
- イライラしやすい
いくつかの症状が重なっている場合は、更年期による体の変化が関わっているサインかもしれません。
更年期障害で頭痛が起こりやすいおもな原因

更年期の頭痛は、女性ホルモンの変動だけでは説明できないこともあります。
睡眠、ストレス、肩や首のこりなど毎日の積み重ねが痛みを長引かせる場合もあるためです。
ここでは生活に関わる原因を整理し、減らせるポイントをお伝えします。
女性ホルモンの変動により体のバランスも変化する
卵巣の働きが弱まり、女性ホルモン(エストロゲン)が減っていくこの時期は、ほてりや睡眠の乱れといった不調も出やすくなります。
片頭痛がある方は特に、エストロゲンの変動が頭痛のきっかけになりやすいとされています。
月経の前後や更年期の時期に、「いつもと違う」頭痛を感じたことがある方は、ホルモンの影響が関わっているかもしれません。
睡眠不足やストレスを溜め込んでいる
更年期世代は、仕事・家事・介護など多くの役割を抱えている方も多い時期です。
睡眠不足やストレスが重なると痛みに敏感になり、頭痛を感じやすくなります。
眠れる環境を整え、意識的に休む時間を確保することも、頭痛を和らげる近道になります。
肩こりなど日頃より身体へ負担がかかっている
肩や首のこりは、頭まわりの筋肉の緊張につながり、頭痛の原因になることがあります。
夕方になると頭が重くなる・しめつけるような痛みが出るという方は、筋肉の緊張による頭痛がまじっているかもしれません。
「肩がこっているだけだから大丈夫」と放置せず、早めのケアで頭痛の予防につなげる意識をもつことが大切です。
更年期障害における頭痛のタイプや特徴

頭痛には、痛みの種類や出方の違いによっていくつかのタイプがあります。
更年期の女性に多い頭痛は、おもに片頭痛と緊張型頭痛の2つです。また、両方の特徴が重なるケースや、薬の使いすぎによって起こる頭痛もあります。
まずは、それぞれの特徴を知っておきましょう。
ズキズキする片頭痛の特徴
片頭痛は、ズキンズキンと脈打つような痛みが特徴です。 頭の片側だけに出ることが多いといわれていますが、両側に痛みを感じる方もいます。
頭痛に伴って、次のような症状がでることがあります。
- 吐き気やむかつき
- 光や音がつらく感じる
- 体を動かすと痛みが強くなる
これらの症状は、目を閉じて横になると落ち着くことが多いのも、片頭痛の特徴のひとつです。
締め付けられるような緊張型頭痛の特徴
緊張型頭痛は、頭全体や両側がギューッと締め付けられるような痛みが続く状態です。
デスクワークやスマートフォンの使用で首や肩がこりやすい方に多く見られます。
また、次のような症状を伴うケースもみられます。
- 肩こり
- 目の疲れ
- 軽いめまい
頭痛の頻度によって
月15日未満の「反復性」と、月15日以上続く「慢性」
の2つに分けて考えることもあります。
参考:日本薬剤師会 頭痛の資料 P6
両方の特徴が重なる混合型頭痛もある
更年期の頭痛は、片頭痛と緊張型頭痛、両方の特徴が重なるケースもあります。
たとえば、
- ある日はズキズキした痛み
- 別の日は締め付けられるような痛み
というように、日によって頭痛の感じ方が変わる場合です。
このような状態は混合型頭痛と呼ばれることがあり、ご自身での判断が難しいケースです。
薬の使いすぎで起こる薬剤誘発性頭痛
鎮痛薬を頻繁に使いすぎると、かえって頭痛が増えてしまうことがあります。
これを「薬剤誘発性頭痛(薬物乱用頭痛)」といいます。
市販の鎮痛薬や片頭痛用の治療薬を繰り返し使用している方は、自己判断をせずに医師や薬剤師に相談しましょう。
違和感を感じたら医療機関に相談するのが安心

頭痛が続くときほとんどの場合は、深刻な病気ではありません。しかし、頭痛が脳の病気のサインである可能性がゼロとは言い切れません。
過度に心配する必要はないものの、すぐに医療機関を受診すべき症状を知っておくと、いざという時に落ち着いて行動できます。
突然の激しい頭痛
次のような症状が突然あらわれたときは、脳卒中の可能性があります。ためらわずに救急車を呼んでください。
- 今までに経験したことのないどの激しい頭痛
- 顔がゆがむ・口元が下がる
- 手や足に力が入らない
- 言葉が出にくい・ろれつが回らない
また、突然の激しい頭痛に、意識の変化や嘔吐が重なる場合は、くも膜下出血も考えられます。症状が出たらすぐに119番へ。
頭痛の頻度が増えている場合
いつもと同じ頭痛だと思っていても、次のような変化があるときは早めに受診しましょう。
- 頭痛の回数が急に増えた
- 痛み方がいつもと違う
- だんだん強くなってきた
頭痛は早めに相談するほど、適切な治療につながりやすくなります。
異常がないか確認するだけでも安心
頭痛が続くと、「何か悪い病気では?」という不安が頭から離れなくなることもありますよね。
そんなときは、一度受診して画像検査などを受けてみるのもひとつの選択肢です。
不安を抱えたまま過ごすよりも、まず確認してみることが、自分を大切にする第一歩です。
忙しい毎日でもできる頭痛のセルフケア

ご自身の頭痛のタイプや受診の目安を知った上で、忙しい毎日でも取り入れやすい頭痛のセルフケアをご紹介します。
無理のない範囲で取り入れてみましょう。
日記をつけて頭痛の原因を見える化する
まずは、頭痛の見える化から始めてみましょう。
天候や睡眠、ストレスの度合いを簡単にメモするだけでもかまいません。
「寝不足の日に増える」「雨の前に出る」などが見えやすくなります。
頭痛ダイアリーを使えば、受診時にも役立ちます。
(引用:頭痛ダイアリーで頭痛を攻略│日本頭痛学会)
カフェインや睡眠の取り方を見直す
コーヒーや紅茶などに含まれるカフェインは、頭痛の味方にも敵にもなります。
日本頭痛学会では、1日200mg以上のカフェインを2週間以上続けた人が急にやめると、離脱頭痛が起こることがあるとされています。(引用:日本頭痛学会. 頭痛の診療ガイドライン. カフェイン離脱頭痛の項)
急に止めるのではなく、少しずつ量を減らすほうが安心です。
また、睡眠は時間の長さよりも、起きる時間を一定にするリズムを意識してみましょう。
痛みのタイプに合わせてケアを行う
頭痛は、タイプによって対処法が変わります。
◆ズキズキする片頭痛タイプ
- 暗くて静かな場所で横になる
- 水分をしっかりとる
- 早めに処方薬や市販薬を使う
◆締め付けられる緊張型タイプ
- 姿勢を見直す
- 首や肩まわりをほぐす
その日の痛み方を記録すれば、次のセルフケアも選びやすくなりますね。
肩や首を緩める軽いストレッチやツボ押しを行う
ストレッチの際は、次のような動きを首を動かさずにおこなってみましょう。
- 首を軸にして、肩と腕を左右交互に水平に回す
- 両肘を曲げて肩と腕をゆっくり大きく前後に回す
椅子に座ったままでも、首や肩の緊張がやわらぎます。
(引用:一般社会法人日本頭痛学会 頭痛体操)
ツボ押しの場合は、指で強く押しすぎず、「痛気持ちいい」と感じる程度の力加減で止めるのが無理なく続けられるコツです。
頭痛の相談先と治療の選択肢

「頭痛で受診したいけど、何科に行けばいいの?」と迷う方は少なくありません。
更年期の頭痛は、症状の出方によって相談先が変わります。この章では、受診先の選び方と更年期世代に合った治療の選択肢をわかりやすくお伝えします。
更年期症状が気になるときは婦人科へ
ほてり・発汗・気分の波・眠りの乱れなど、頭痛以外の更年期症状も重なっている方は、婦人科への相談が入り口として選びやすいでしょう。
婦人科では、更年期かどうかの見立てに加えて、ほかの病気が隠れていないかどうかも確認してもらえます。
頭痛が中心の場合は神経内科や頭痛外来
ズキズキする痛み・締め付け感・吐き気など、頭痛の症状がはっきりしている方には、神経内科や頭痛外来を受診しましょう。
専門医を探す際は、日本頭痛学会の「認定頭痛専門医一覧」も参考になります。
ホルモン補充療法(HRT)という選択肢
更年期の頭痛が女性ホルモンの変動に関係している場合、HRTによって改善できることもあります。
気になる方は、婦人科や更年期外来で相談してみましょう。
参考:更年期障害に対するホルモン補充療法(HRT) – 日本産婦人科医会
漢方など体質に合わせた治療
更年期の治療は、漢方薬も大切な選択肢のひとつです。
冷え・のぼせ・気分のゆれなど、症状の出方やもともとの体質に合わせた処方をしてもらえます。
更年期の頭痛に効く薬(市販薬・処方薬)
軽い頭痛の場合、市販の鎮痛薬(NSAIDsなど)が用いられます。ただし、鎮痛薬を頻繁に使用すると「薬剤誘発性頭痛」が起こることがあります。
薬の使用回数が増えていたり、効きにくさを感じたりする場合は、頭痛外来や医療機関で相談することも大切です。
頭痛の相談前に整理しておきたい3つのポイント

頭痛の相談をする前に、症状の要点を整理しておくと医師への伝え方がスムーズです。
【ポイント①】 痛みの場所や強さ・続いた時間をメモしておく
頭痛の症状は、次の3点を整理しておくと医師に伝わりやすくなります。
- 痛む場所(片側・両側・後頭部など)
- 痛みの強さ
- 続いた時間
痛みの強さは、「仕事ができた」 「横になって休んだ」など行動で伝えるとわかりやすくなります。
吐き気や光・音がつらかった場合も一言添えるとよいでしょう。
【ポイント②】月経の状況や更年期症状・飲んでいる薬を振り返る
更年期世代の頭痛には、ホルモンの変化が関わっていることも多いため、次の点を思い出しておくと診察がスムーズです。
◆月経について
- 周期の変化(間隔が長くなった・不規則になったなど)
- 経血量の変化
- 月経が止まりかけている状況
◆更年期の症状について
- ほてり・発汗・イライラ・眠りの浅さなど、気になる症状があれば一言添えましょう。
◆飲んている薬・サプリについて
- 市販の痛み止めの名前と、飲んだ回数
- 処方薬・サプリメントも
メモしておくと安心です。
【ポイント③】 仕事や家事への影響も具体的に整理する
頭痛が毎日の生活をつらくする場面を具体的に伝えることも大切です。
- 仕事を休んだ・早退した日
- 家事ができなかった場面
- 運転や入浴がつらかった状況
「これくらい言っていいのかな」と遠慮せず、生活への影響をできるだけ具体的に話してみてください。
それが、より適切な治療につながる大切な手がかりになります。
体を整えるもうひとつの選択肢
頭痛への向き合い方は、セルフケアや医療機関への受診だけではありません。
毎日の身体の状態を少しずつ整えていくのも、つらさをやわらげる大切なアプローチです。
女性の身体に寄り添ったPOWWOW整体サロンは、頭痛や肩こり、めまいなどの気になる不調の相談先のひとつとして利用されています。
まとめ:更年期における頭痛の原因や対処法を解説

更年期の頭痛は、誰にでも起こりうる身近な不調です。
しかし、周りに伝わりにくく「大げさかな」と思い、ひとりで我慢してしまう方もすくなくありません。
まずは、自分の頭痛のタイプや起こり方を知り、日々の記録を付けながら傾向をつかんでみましょう。
「いつもと違う」と感じたら、無理せず医療機関に相談することも大切です。
頭痛に振り回されないための小さな工夫を重ねながら、これからの毎日を少しずつ整えていきましょう。
この記事のライター
1990年 正看護師資格取得
ライフスタイルに合わせつつ、総合病院やクリニック、訪問看護・介護施設でさまざまな年代の患者さんや利用者さんのケアをおこなってきました。
2023年 フリー看護師ライターとして活動開始。健康寿命や認知症予防に関する発信から、人生100年時代の新しい生き方を提案していきます。
2025年 電子書籍初出版
看護師免許番号 700804
介護支援専門員登録番号 0406186
YMAA個人認証









