
更年期のめまい・吐き気は危険?病気との見分け方と管理栄養士が教える改善策
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「最近、急に頭がクラクラする…」
「めまいと一緒に吐き気もあって不安…」
40代後半から50代にかけて、このような原因のわからない不調に悩んでいませんか?
仕事や家事、介護などで忙しい毎日の中、突然のめまいや吐き気が続くと、「更年期のせい?」「何か病気が隠れているのでは?」と心配になりますよね。
更年期のめまいや吐き気は珍しい症状ではありません※¹。しかし、その一方で、脳や耳の病気などが原因となっている場合もあります。大切なのは、「更年期だから」と自己判断で済ませないことです。
この記事では、更年期にめまいや吐き気が起こる原因や病気との見分け方、受診の目安についてわかりやすく解説します。また、管理栄養士の視点から、自律神経やホルモンバランスを整える食事や生活習慣のポイントもご紹介します。
まずは、ご自身の身体からのサインを一緒に確認していきましょう。
※¹厚生労働省健康局委託「働く女性の健康に関するWeb調査(正規雇用労働者男女計6,423名対象)」
更年期にめまい・吐き気はよくある症状?

毎日仕事や家事、家族のサポートに追われる中で、突然のめまいや吐き気に戸惑っている方も多いのではないでしょうか。
結論からお伝えすると、更年期世代において「めまい」や「吐き気」は珍しい症状ではありません。医療機関で検査を受けても脳や耳に異常が見つからず、更年期によるホルモンバランスや自律神経の変化が関係しているケースも少なくありません。
もちろん症状によっては病気が隠れている場合もありますが、まずは「自分だけではない」と知ることも大切です。ここでは、更年期に起こるめまい・吐き気の特徴について見ていきましょう。
めまいには3種類ある 回転性めまい・浮動性めまい・立ちくらみ型

ご自身の症状がどのタイプに近いか確認してみましょう。※²
【回転性めまい】
天井や周囲がグルグル回っているように感じるめまいです。耳の病気や平衡感覚の異常で起こることが多く、強い吐き気を伴う場合もあります。
【浮動性めまい】
フワフワと浮いているような感覚のめまいです。更年期ではこのタイプが多く、自律神経の乱れや疲労、睡眠不足などが関係していることがあります。
【立ちくらみ型のめまい】
急に立ち上がった際にクラッとしたり、目の前が暗くなったりするタイプです。血圧の変動や貧血、水分不足などが関係している場合があります。
吐き気を伴うのはなぜ?
「めまいだけでもつらいのに、なぜ吐き気まで起こるの?」と思う方もいるでしょう。
実は、平衡感覚をつかさどる神経と吐き気をコントロールする脳の働きは密接に関係しています。そのため、強いめまいが起こると、その刺激が胃腸にも伝わり、ムカムカしたり吐き気を感じたりすることがあります。
特に回転性めまいでは吐き気を伴いやすく、人によっては食事が取れなくなるほどつらく感じることもあります。
更年期世代に多い症状との関係
更年期のめまいや吐き気は、単独で現れるよりも他の更年期症状と一緒に起こることが少なくありません。
例えば、ホットフラッシュによる急な発汗やのぼせ、不眠、動悸、頭痛などは、自律神経に負担をかける要因となります。その結果として、フワフワしためまいや胃の不快感につながることがあります。
更年期の不調はそれぞれが独立しているのではなく、身体の中で互いに影響し合っているのです。
更年期にめまい・吐き気が起こる主な原因

更年期を迎えると、女性の身体にはホルモンバランスをはじめとする様々な変化が起こります。
めまいや吐き気が起こる背景には、女性ホルモンの減少だけでなく、自律神経の乱れ、栄養状態、睡眠不足など、複数の要因が複雑に関係しています。
まずは、ご自身の症状がどこからきているのか、主な原因を詳しく見ていきましょう。
女性ホルモン(エストロゲン)の減少
更年期の最大の特徴は、女性ホルモンであるエストロゲンが大きく減少することです。
エストロゲンは、月経や妊娠だけでなく、血管や自律神経の働きにも関わっています。そのため、ホルモンバランスが急激に変化すると、脳がうまく対応できず、自律神経のバランスが乱れやすくなります。
その結果、血流の変化や体温調節の乱れが起こり、めまいや吐き気として現れることがあります。
自律神経の乱れ
更年期は、仕事や家事、子どもの独立、親の介護など、生活環境の変化が重なりやすい時期でもあります。
こうしたストレスや疲労、睡眠不足が続くと、自律神経に大きな負担がかかります。自律神経は血流や胃腸の働きにも関係しているため、バランスが崩れることでフワフワしためまいや胃のムカつきが起こりやすくなります。
ホルモンの変化と生活上のストレスが重なることで、不調を感じやすくなるのです。
血糖値の乱高下
朝食を抜いたり、甘いお菓子だけで空腹を満たしたりしていませんか?
血糖値が急激に上がった後に下がると、脳へのエネルギー供給が不安定になり、ふらつきや冷や汗、頭痛などが起こることがあります。
更年期は自律神経が乱れやすいため、血糖値の変動による影響も受けやすくなります。食事を抜かず、たんぱく質を含む食事を心がけることが大切です。
鉄不足・栄養不足
更年期世代の女性にとって、体内の鉄分やタンパク質の不足は、めまいや吐き気を引き起こす隠れた原因です。
この時期は月経周期の乱れから経血量が増え、自覚のないまま重度の貧血(鉄欠乏)に陥るケースが少なくありません。脳への酸素供給が滞ることで、クラクラとするめまいや、それに伴う吐き気が生じます。
さらに、食事を簡単に済ませがちな女性に多いのが、カロリーは足りているのに栄養が偏る「新型栄養失調」です。特に、自律神経を整えるタンパク質やビタミンB群が不足すると、不調はさらに悪化します。体調が悪いときこそ、うどん等の主食だけで済ませず、筋肉や血液、細胞の材料となる「タンパク質」や、酸素を運ぶ「鉄分」をしっかり補給することが大切です。これらは健やかな身体の土台を作る、欠かせない栄養素です。
睡眠不足・慢性疲労
睡眠は、心と身体を休ませ、自律神経のバランスを整えるために欠かせない時間です。しかし、更年期になるとホルモンバランスの変化やホットフラッシュ、ストレスなどの影響から、寝つきが悪くなったり、夜中や早朝に目が覚めたりすることがあります。
睡眠不足や睡眠の質の低下が続くと、自律神経が十分に回復できず、日中のだるさや疲労感だけでなく、めまいやふらつき、吐き気などの不調につながることがあります。
また、「しっかり寝たはずなのに疲れが取れない」「朝から身体が重い」と感じる場合は、慢性的な疲労が蓄積しているサインかもしれません。
更年期の不調を和らげるためには、食事や運動だけでなく、質の良い睡眠を確保することも大切なセルフケアの一つです。
これって更年期?病気?受診を急いだ方がよい症状

更年期のめまいは、ホルモンバランスや自律神経の乱れが原因で起こることが多い症状です。※³
しかし、「更年期だから大丈夫」と自己判断してしまうと、重大な病気を見逃してしまう可能性もあります。※⁴
特に初めて経験する強いめまいや、いつもと違う症状がある場合は注意が必要です。
※³ 厚生労働省化学研究班
脳梗塞・脳出血
めまいや吐き気の中には、脳梗塞や脳出血など命に関わる病気が隠れていることがあります。※⁵
特に、ろれつが回らない、手足の麻痺やしびれがある、激しい頭痛を伴うなどの症状がある場合は、更年期症状と決めつけず、速やかに医療機関を受診しましょう。
メニエール病
激しい回転性めまいに加えて、耳鳴りや難聴、耳が詰まったような感覚を繰り返す場合は、メニエール病の可能性があります。※⁶
内耳の異常によって起こる病気で、更年期のめまいと症状が似ていることもあります。気になる症状がある場合は耳鼻咽喉科へ相談しましょう。
※⁶ 塩築医師会
良性発作性頭位めまい症
寝返りを打ったときや上を向いたときなど、頭の位置を変えた際に短時間の回転性めまいが起こる病気です。
耳の奥にある耳石の位置がずれることで起こると考えられており、比較的よくみられるめまいの一つです。※⁷
※⁷ 日本医事新報社
貧血
鉄不足による貧血では、立ちくらみやふらつき、強い疲労感が現れることがあります。
特に疲れやすさや息切れ、顔色の悪さなどを伴う場合は、一度血液検査を受けてみることをおすすめします。
すぐ受診したい危険なサイン
次のような症状がある場合は、更年期症状ではなく緊急性の高い病気が隠れている可能性があります。※⁸
- ろれつが回らない
- 片側の手足に麻痺やしびれがある
- 経験したことのない激しい頭痛がある
- 意識がぼんやりする、失神した
- 物が二重に見える
- まっすぐ歩けない
これらの症状がみられる場合は、ためらわずに救急受診を検討してください。
一方で、危険なサインがなくても、めまいや吐き気が続いて日常生活に支障が出ている場合は、婦人科や耳鼻咽喉科、内科などへ相談することも大切です。
我慢しすぎず、専門家の力を借りながら原因を確認していきましょう。
※⁸ 日本脳卒中協会
管理栄養士が教える!更年期のめまい・吐き気を整える食事

更年期のめまいや吐き気は、女性ホルモンの変化だけが原因ではありません。実は、毎日の食事も自律神経や血流、体調に大きく影響しています。
「何を食べればよいのかわからない」と難しく考える必要はありません。まずは血糖値を安定させ、自律神経や身体を支える栄養素を意識することが大切です。
血糖値を安定させる
朝食を抜いたり、甘いお菓子だけで空腹を満たしたりすると、血糖値が大きく変動し、ふらつきやだるさにつながることがあります。
特に更年期は自律神経が乱れやすく、血糖値の影響を受けやすい時期です。朝食には、ヨーグルトや卵、豆乳などのたんぱく質を取り入れ、血糖値の急上昇・急降下を防ぎましょう。
忙しい朝でも、バナナとヨーグルトだけでも構いません。まずは「何か食べる習慣」をつけることが大切です。
自律神経を整える栄養素
自律神経の働きをサポートするためには、ビタミンB群、マグネシウム、トリプトファンなどの栄養素が欠かせません。
ビタミンB群は豚肉や卵、納豆に多く含まれ、エネルギー代謝を助けます。
マグネシウムは大豆製品や海藻類、ナッツ類に豊富です。
また、トリプトファンは心の安定や睡眠に関わるセロトニンの材料となる栄養素で、乳製品や大豆製品、卵などから摂ることができます。
鉄とタンパク質を意識する
鉄不足は、めまいや立ちくらみ、疲労感の原因になることがあります。
鉄は赤身の肉やレバー、かつお、まぐろなどに多く含まれています。また、豆腐や納豆などの大豆製品は、鉄とたんぱく質を同時に補給できる便利な食品です。
たんぱく質は血液や筋肉、ホルモンの材料にもなります。毎食少しずつ取り入れることを意識しましょう。
腸内環境を整える
近年では、腸と脳、自律神経が密接に関わっていることがわかってきています。
腸内環境を整えるためには、ヨーグルトや納豆、味噌などの発酵食品と、野菜やきのこ、海藻類などの食物繊維を組み合わせることがおすすめです。
「ヨーグルトを朝食に加える」「味噌汁にわかめやきのこを入れる」といった小さな工夫でも十分です。
忙しい女性向け「調理不要」の栄養テクニック
毎日手作りの食事を続けるのは簡単ではありません。そんなときは、コンビニやスーパーの食品も上手に活用しましょう。
サラダチキンや豆腐バーは手軽なたんぱく源になります。納豆やめかぶ、もずくは腸内環境を整えるサポートに役立ちます。
また、サバ缶やいわし缶はたんぱく質に加え、EPAやDHAも摂ることができます。ヨーグルトやチーズ、ゆで卵なども忙しい日の強い味方です。
完璧な食事を目指す必要はありません。できる範囲で栄養を補うことが、更年期の身体を支える第一歩になります。
今日からできる!めまい・吐き気を和らげる生活習慣

更年期のめまいや吐き気は、女性ホルモンの変化だけでなく、毎日の生活習慣も深く関わっています。
特に、朝食を抜く、水分不足が続く、睡眠が足りない、無理をして頑張り続けるといった習慣は、自律神経に負担をかける原因になります。
すべてを一度に変える必要はありません。まずは取り組みやすいことから始めてみましょう。
朝起きる時はゆっくり動く
朝、勢いよく起き上がると、血圧や血流の調整が追いつかず、めまいやふらつきを感じることがあります。
目が覚めたら、まずは布団の中で軽く手足を動かし、深呼吸をしてからゆっくり身体を起こしましょう。その後、数秒座ってから立ち上がると身体への負担を減らせます。
また、起床後はコップ1杯の水を飲み、できればヨーグルトやバナナなど簡単なものでも良いので、朝食を摂ることをおすすめします。
水分補給を見直す
水分不足は、めまいやだるさの原因になることがあります。
更年期はホットフラッシュや寝汗などで水分を失いやすいため、自分が思っている以上にこまめな補給が必要です。
のどが渇いてからではなく、起床後や食事中、仕事の合間など飲むタイミングを決めておくと続けやすくなります。コーヒーだけに頼らず、水や麦茶も意識して取り入れましょう。
睡眠環境を整える
睡眠は、自律神経を整える大切な時間です。
更年期は寝つきが悪くなったり、途中で目が覚めたりしやすくなりますが、まずは規則正しい生活リズムを意識してみましょう。
また、寝る直前のスマートフォンやパソコンは脳を刺激し、眠りを妨げることがあります。就寝前は読書やストレッチなど、リラックスできる時間を作ることがおすすめです。
5分間の深呼吸
不安やストレスを感じると、呼吸は浅くなり、自律神経のバランスも乱れやすくなります。
そんなときは、5分間だけ深呼吸をしてみましょう。鼻からゆっくり息を吸い、口からゆっくり吐くことを繰り返します。吐く時間を少し長めにすると、リラックスしやすくなります。
朝や寝る前、仕事や家事の合間など、自分が続けやすいタイミングで取り入れてみてください。
完璧を目指さない
更年期のセルフケアで大切なのは、「頑張りすぎないこと」です。
真面目な方ほど、不調があっても無理をしてしまいがちですが、めまいや吐き気は身体からの休息のサインかもしれません。
今日は少し早く休む、家事を一つ減らす、誰かに頼る。そんな選択も立派なセルフケアです。
毎日100点を目指す必要はありません。できることを続けることが、心と身体を整える近道になります。
更年期のめまい・吐き気に関するよくある質問(FAQ)

Q 更年期のめまいはいつまで続く?
更年期のめまいが続く期間には個人差があります。数か月で落ち着く方もいれば、数年続く方もいます。一般的には、ホルモンバランスが安定してくるにつれて症状も和らぐ傾向がありますが、ストレスや睡眠不足などが影響して長引くこともあります。
Q 吐き気だけが出ることはある?
あります。更年期は自律神経が乱れやすく、胃腸の働きにも影響するため、めまいが目立たなくても吐き気や胃のムカつき、食欲不振として現れることがあります。ただし、症状が長く続く場合は他の病気の可能性もあるため、医療機関へ相談しましょう。
Q 漢方は効果がある?
漢方薬が症状の改善に役立つ場合があります。例えば更年期症状には、当帰芍薬散や加味逍遙散などが用いられることがありますが、体質によって適した処方は異なります。自己判断ではなく、医師や薬剤師に相談しながら使用することをおすすめします。
Q 婦人科と脳神経外科どちらへ行く?
ろれつが回らない、手足のしびれや麻痺、激しい頭痛などがある場合は、速やかに脳神経外科や脳神経内科を受診してください。一方で、月経不順やホットフラッシュ、不眠など更年期症状を伴う場合は婦人科への相談が選択肢となります。迷う場合は、まずかかりつけ医へ相談してみましょう。
まとめ|更年期のめまい・吐き気は「身体からのサイン」
めまいや吐き気といった更年期の不調は、女性ホルモンの変化や自律神経の乱れなどが原因で起こる一般的な症状です。まずは食事や睡眠、深呼吸など、日常生活の中でできるセルフケアから見直してみましょう。ただし、激しい頭痛や手足のしびれ、ろれつが回らないといった危険なサインがある場合は、無理をせず速やかに医療機関を受診してください。
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この記事のライター
大学病院、内科クリニック、総合病院にて勤務し、入院患者さんや糖尿病患者さんの栄養指導の他、減量、食べ方の指導をおこなってきました。
現在は主婦として3人の子育てに奮闘しながら、現代社会の食環境について考えています。
管理栄養士 免許番号 127125
フードスペシャリスト 資格番号 0270053
未病栄養コンサルタント®︎








