
更年期の腰痛にはどんな痛みがある?症状や原因・セルフケア方法を解説
更新日:
更年期になると心身にさまざまな変化が現れます。更年期とは閉経前後の10年間のことを言います。
特に腰痛は多くの方が経験する身体の不調ではないでしょうか。
今回は更年期におこる腰痛の症状や原因、自宅でできる予防方法とセルフケア、病院受診の目安について解説します。
更年期だから仕方がないと諦めるのではなく、適切な方法で予防やケアを行い、不調がない更年期を過ごしましょう。
更年期に起きる腰痛の主な症状や痛み

一般的な腰痛症状は、痛みの部位や強さ、痛みが出る場面などに個人差があります。これは更年期の腰痛にも当てはまります。
今回は腰痛症状の中でも多く聞かれる主な症状をご紹介します。
①腰全体が重だるく鈍い痛み
ピンポイントの痛みではなく、腰全体に痛みや重だるさを感じます。
無意識に腰をさすっている方はこの痛みの方が多い印象です。
ズーンとした痛み・痛みより重い感じと表現する方も多いです。
②動作時の痛み
身体を休めている時は痛みが出ず、身体を動かす時に痛みが出ます。
例えば、洗濯物を干す・トイレ掃除・お風呂掃除・掃除機をかける・床の物を拾うなどの家事動作、
歩く・走るなどの運動中に出る痛みです。
痛みの原因や、痛みの出る部位はその方によって異なりますが、普段の身体の癖が原因のことも考えられます。
③長時間同じ姿勢での痛み
長時間の座っての作業・立ち作業・起床時など、同じ姿勢で長時間過ごした後に痛みを感じます。
また、長時間の歩行時に痛みが出る方もいます。
長時間同じ姿勢でいた際の動きはじめに痛みが出る方が多く、少し動くと痛みが軽減することが多いです。
デスクワークの方や長時間運転される方などに多い印象です。
更年期の腰痛の原因

腰痛の85%は明らかな原因が分からないと言われています。
また、腰痛の原因は個人によって様々で、1つではなくたくさんの要因が関連して痛みが出ていることが多くあります。
更年期におきる腰痛は、一般的な腰痛の原因に加え、女性特有の身体の変化からおこる腰痛の原因も考えられます。
今回は様々な腰痛の原因がある中でも、更年期特有の身体の変化から考えられる原因をご紹介します。
①ホルモンバランスの変化
更年期になると、女性ホルモンであるエストロゲンの分泌が急激に減少します。
エストロゲンは、筋肉・血管・骨・関節などを健康に保つ役割があります。
エストロゲンが減少すると骨や筋肉の働きが悪くなり、腰部周辺に負担がかかりやすくなることで 腰痛の原因となります。
②筋肉量・骨密度の低下
エストロゲンは、筋肉の量を維持する働きや、骨を強くするために助ける働きもします。
年齢とともにエストロゲンが低下すると、筋肉量や骨密度は徐々に低下していきます。
腰痛の改善にはインナーマッスルが大切だと言われています。
筋肉量が低下することでインナーマッスルも低下します。腰周りを支えている筋肉量が低下するため、腰部に負担がかかり腰痛の原因となります。
また骨密度の低下は、「いつのまにか骨折」とも言われる圧迫骨折の原因となるので注意が必要です。
③身体の柔軟性の低下
エストロゲンは、関節・筋肉・腱などの柔軟性を保つ働きにも関与しています。
腰周辺の関節の柔軟性が低下すると、腰の骨にかかる負担が増えてしまいます。
腰周辺の筋肉の柔軟性が低下すると、筋肉の血流が悪くなり、硬くなった筋肉に負担がかかります。
関節への負担も筋肉への負担も、一時的であればすぐに改善することが多いですが、継続的に負担がかかることで腰痛の原因になります。
慢性的な腰の痛みに多い原因です。
病院を受診した方がいい腰痛のケース

更年期にみられる腰痛は、ホルモンバランスの変化による、筋肉や関節への負担によっておきる症状が多いですが、病気が原因で腰痛の症状が現れている場合もあります。
整形外科やその他専門科への受診が必要なケースがありますので紹介していきます。
腰痛を我慢して放置していると症状が悪化してしまう場合もあります。該当する場合や、少しでも不安がある場合は病院を受診し、検査してもらいましょう。
①急激に激しい痛みが出ている
今までの痛みがいきなり増悪したり、ズキズキと鋭い痛みが急に出現した場合、炎症症状が出ており骨折や内臓疾患の可能性があります。腹痛や鼠径部痛が伴う場合も内臓疾患が考えられます。
また、尻もちをつくように転んだり、強い衝撃を受けたあとに出た痛みは骨折の可能性が高いため早めに受診しましょう。
②痛みが長く続き夜間も痛みがある
痛みが1ヶ月以上続き、夜間や安静時関係なく持続的に痛みがある場合、内臓疾患や骨折の可能性があります。
時間帯に関係なくずっと続いている痛みや、特定の動作に関係なくずっと続いている痛みがある場合は内臓疾患の可能性が高いです。
ある動作に伴って痛みが出ている場合は骨折の可能性が高いです。
どちらも悪化することがありますので、早めに受診しましょう。
③お尻や脚に痺れが出てきている
腰痛に伴い、お尻や脚に痺れが出現している場合や足に力が入らない場合は整形疾患の可能性があります。
お尻の周りに痺れが出ている、熱いような灼熱感を感じる方もいます。
また痺れや痛みが脚の両側に出ている場合や、片側に出ている場合もあります。足裏に痺れを感じることもあります。
人によっては歩いていると脚に痛みが出る場合や、ある特定の動作(しゃがみ込んでの作業・背伸びの姿勢での作業)を行うと痺れが出現することもあります。
このような症状がある場合は、早めに整形外科を受診しましょう。
④尿漏れ・便漏れの症状が出ている
腰痛に伴い、排泄トラブル(尿失禁・便失禁・残尿感・便秘)がある場合、整形疾患や内臓疾患の可能性があります。
排泄トラブルである頻尿や尿漏れは更年期になると悩む症状でもあります。
しかし、腰痛に伴って出現した排泄トラブルには注意が必要です。
特に痺れを伴っている腰痛と排泄トラブルが同時に起きている場合は早めに受診するようにしましょう。
⑤最近体重が減ったり発熱がある
腰痛に伴い、いつの間にか体重減少があったり発熱がある場合、内臓疾患が考えられます。
腰痛が継続しており、気が付いたら体重が減っていたり、周囲から言われることなどがあったら注意しましょう。
特に発熱を伴って体重減少があったり、倦怠感・食欲不振・血便などがある場合はすぐに病院を受診しましょう。
普段から体重管理をし、自身の体重を把握しておくことも大切ですね。
更年期における腰痛の予防方法を紹介

①身体をしっかり温めて、血流を良くする
身体が冷えてしまうと筋肉の血流が悪くなり、筋肉が硬くなってしまいます。
硬くなった筋肉は柔軟性が低下してしまうため、筋肉への負担も増え腰痛の原因になります。
身体を冷やさないように、下着をたくさん着込んで厚着をする方もいると思います。
しかし厚着によって身体を圧迫してしまうことで、かえって血流が悪くなってしまうことがあります。
そこで、私が普段から身体を温めるために行っているおすすめの方法を2つご紹介します。
・湯船に入って身体を温める
湯船につからず、シャワーのみでお風呂をすませている方も多いのではないでしょうか。
シャワーだけで全身を温めるのは難しく、お風呂後も身体が冷えやすいです。
毎日入るお風呂は身体を温める絶好のチャンスです。
血行促進の入浴剤を使用するとより効果的に身体が温まります。
お好きな香りの入浴剤を使用すると、リラックス効果も得られるのでおすすめです。
湯船につかる際は、38〜40℃の少しぬるめのお湯に10 ~15分程入ると筋肉が緩みリラックス状態となるため血流改善につながります。
・あったかグッズを使う
身体を温めるグッズを使うのもおすすめです。私のおすすめは「よもぎ温座パット」です。
会陰の周辺は太い血管が通っているため、身体も温まりやすく血流改善にも効果的です。
寒い日の外出時に使用しても身体が冷えにくいのでおすすめです。
個人的な感想にはなりますが、この商品を使用するとお腹の辺りまで暖かくなる印象があります。
私は、入浴後の寝る前・昼間のリラックス時間に使用することが多いです。

【楽天市場】ウィズフェム よもぎ温座パットオーガニック 6個:サンドラッグe-shop
②ストレッチで筋肉の柔軟性をあげる
痛みを改善させるためには、身体全体がスムーズに動ける状態にしておくことが大切です。
筋肉が硬くなってしまうと、硬くなってしまった部分はスムーズな動きができず、負担がかかってしまいます。
腰周りは上半身と下半身をつなぐ筋肉がたくさんあり、硬くなりやすい部分でもあります。
また筋肉が硬い部分は血流も悪くなるため、より痛みが出やすい身体になってしまいます。
筋肉の血流も改善させ、スムーズに動ける身体つくりのために、おすすめなのがストレッチです。
今回は、仕事中や家事の合間に簡単に行えるストレッチをご紹介します。
・座ってできるストレッチ
椅子や床に座ったままできるストレッチです。

1⃣片方の手を床や椅子につけたまま、反対の手を大きく円を描くように持ち上げていきます。
2⃣脇腹を気持ち良い程度に伸ばしていきましょう。息を止めないように10秒程伸ばします。
3⃣3回程度繰り返し行いましょう。手を少し斜め前に伸ばすと脇腹+背中の方までストレッチできるのでおすすめです。角度を変えながら行ってみてください。
・立ちながらでもできるストレッチ
上記で説明した座って行うストレッチを、立った状態で行います。
片側の手を壁や机に置いて、反対側の手をゆっくり上げて脇腹〜背中をストレッチしていきます。
立って行う場合も、手の位置を変えながら脇腹~背中が伸びるようにストレッチを行うと効果的です。
仕事や家事の合間に簡単にできるためおすすめです。
③インナーマッスルのトレーニングで腰の負担を軽減させる
インナーマッスルは写真のように4つの筋肉が含まれます。

更年期になると筋肉量が軽減してしまうため、インナーマッスルも筋力が低下してしまいます。
妊娠・出産を経験している方であれば、よりインナーマッスルが働きにくい状態になっています。
インナーマッスルが低下してしまうと、身体を支える力が弱くなるため、腰に負担がかかりやすくなり腰痛の原因になります。
インナーマッスルを鍛えることで腰の負担を減らし痛みの改善につながります。
今回は、インナーマッスルの中でも初心者の方でも簡単にできる「腹横筋」と「骨盤底筋」のトレーニングをご紹介していきます。
・深呼吸でインナーマッスルトレーニング
正しい深呼吸を行うことで、お腹のインナーマッスルである「腹横筋」を鍛えることができます。
また深呼吸は自律神経を整える効果もあるため、緊張を和らげリラックスすることもできるため更年期世代の方にはおすすめです。
1⃣仰向けで横になります。
両膝を立てて、足は肩幅ほどに開いてリラックスした状態から始めましょう。
2⃣お腹に両手をあてて深呼吸を行っていきます。
・鼻から息を吸いながら、お腹を膨らませます
・口から優しく息を吐きながら(窓を曇らせるように)、お腹を凹ませていきます
息を吐く際は、お腹に力が入って盛り上がってこないように注意してください。
吸った息の倍の時間をかけて優しく長く息を吐いてみましょう。
初めて行う場合は、3秒吸って・6秒吐くを意識して行ってみてください。
・寝ながらできる骨盤底筋群のトレーニング

1⃣仰向けで寝た状態で、深呼吸をしましょう
ゆっくり呼吸をして、リラックスした状態でトレーニングを始めていきます。
お腹に両手を当てながら自身の呼吸を感じてみましょう。
呼吸とお腹の動きに注意しながら、深呼吸を行ってください
・鼻から息を吸うときに、お腹が膨らむ
・口からゆっくり息を吐くときに(窓を曇らせるように)、お腹が凹む
2⃣呼吸に合わせて骨盤底筋に力を入れていきます
骨盤底筋群に力を入れる感覚としては
・おしっこを我慢するように
・お尻の穴をとじるように
・膣の入口を締めて、上に引き上げるように
上記の中で、力を入れやすいイメージをもって行ってみてください。
上手く力が入らない場合は、写真のようにタオルを使ってお尻の位置を高くしてあげると力が入りやすくなります。
お腹を凹ましながら息を吐きます。同時に骨盤底筋群を締めるように力を入れてみましょう。
始めは6秒かけてゆっくり息を吐けるように意識してみてください。
3⃣呼吸に合わせて骨盤底筋群をゆるめます
骨盤底筋群に力を入れた後は、
お腹を膨らませながら息を吸います。同時に骨盤底筋群をゆるませます。
2⃣、3⃣をゆっくり繰り返し行っていきます。
3秒吸って、6秒吐いてを可能な方は10回ほど繰り返してみましょう。
1日1回は継続して行えると効果的です。
④食事で身体の内側からケア
日々の食事の中で、腰痛予防に有効な栄養を摂取することも大切です。
おすすめの栄養素と食材を紹介します。
・ビタミンEを取り入れる
腰痛の予防策として、食事にビタミンEを取り入れることが有効だと言われています。
ビタミンEには血行を促進する働きがあるため、筋肉のこわばりや冷えの改善につながります。
血流が良くなることで腰周りの筋肉や関節に十分な栄養が行き渡り、痛みの軽減や予防が期待できます。
ビタミンEは、アーモンドやナッツ類、かぼちゃ、アボカド、植物油などに多く含まれています。
日常の食事にバランスよく取り入れることを意識してみましょう。
・タンパク質を取り入れる
タンパク質には筋肉の柔軟性を向上させる働きがあります。
植物性タンパク質と動物性タンパク質をバランスよく摂取しましょう
植物性タンパク質は、豆・野菜・穀類に含まれています。
動物性タンパク質は、肉・魚・卵・乳製品に含まれています。
⑤専門家の治療を受ける
腰痛の原因は、様々な要因が重なっていることがほとんどです。
個人差が大きく、個人個人に適した評価やケアが大切です。自己流ではなく身体をしっかり評価してくれる専門家の治療を受けることをおすすめします。
病院の受診もその1つです。理学療法士のリハビリを受けることもおすすめします。
⑥パウワウの施術を受ける

女性のための整体サロン「パウワウ」では、更年期特有の悩みに寄り添うゆらぎケアコースをご用意しています。
このコースでは、自律神経の乱れによって起こりやすい、次のような不調の緩和が期待できます。
- めまい
- 肩こり
- 睡眠に関するお悩み など
施術では、副交感神経が優位に働くようにアプローチし、乱れがちな自律神経を一時的でも穏やかな状態へ導くことを目指しています。
更年期の不調が気になる方は、ぜひパウワウの公式サイトをご覧ください。
更年期の腰痛は正しいケアで幸年期にしよう

更年期になると、心身の不調から「更年期だからしょうがないね」「更年期だから調子悪いの」とネガティブな発言が増えてしまいますよね。
しかし、予防やケアによって不調が軽減したり、改善することもあります。
また、知識を知っているだけで不安感が軽減し、不調と前向きに向き合えることにも繋がります。
1人で悩まず、専門家の力を頼ることも、大切なケアの方法の1つです。
更年期だからと諦めず、予防と適切なケアで、笑顔あふれる更年期を過ごしましょう。
今からケアを始めて更年期を幸年期へ。
この記事のライター
【保有資格】
・理学療法士
・膣トレ膣ケアインストラクター
・骨盤底筋エクササイズ「Pfilates™」認定インストラクター
普段は理学療法士として、病院で勤務しています。
妊娠をきっかけに、身体の不調を訴える方の声をきき、ウィメンズヘルスの勉強を始めました。
現在は、私自身も子育てをしながら、産後のお母さんの身体ケアについて情報発信しています。
お母さんの笑顔は家族の笑顔
女性の皆さんが笑顔で素敵な毎日を過ごせるようお手伝いできればと思います。








