更年期の手足のしびれに悩む40~50歳代の女性

更年期の手足のしびれ|危険なサインと対処法5選

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「朝、手がこわばって指が握れない」「日中、ふとした瞬間に指先がピリピリしてくる」「夕方になると足の裏がジンジンしてくる」——40代後半を過ぎたころから、こんな手足のしびれに戸惑っていませんか?

以前はこんな症状はなかったのに、と不安になり、「これって更年期?それとも何か悪い病気なの?」と検索した方も多いはずです。片側だけしびれる気がして怖くなったり、何科に行けばいいのかわからず先延ばしにしてしまったり。

でも、更年期の手足のしびれは「歳のせいだから仕方ない」と諦めるしかないものばかりではありません。仕組みを知って向き合えば、スキマ時間のケアでやわらいでいく場合も少なくないのです。

同時に、見逃してはいけない「危険なサイン」の見分け方も知っておけば安心につながります。

この記事では、看護師の視点から、しびれが起こる理由、更年期のしびれと受診が必要なしびれの見分け方、1分からできる対処法5選までをまとめました。読み終わるころには「今の自分に何が起きていて、今日は何をすればいいのか」が、少しずつ見えてくるはずです。

更年期の手足のしびれは朝の手と夕方の足に出やすい

手のしびれは朝、足のしびれは夕方。更年期のしびれには、こんなふうに出やすいタイミングの傾向があります。

まずは、いつ・どこに出るのかを手がかりに、自分のしびれの正体を見極めていきましょう。

更年期の手足のしびれに悩んでいる40~50歳代女性

更年期のしびれは手指のこわばりと足先のピリピリが中心

更年期のしびれは、朝の手と夕方以降の足に出やすいのが特徴です。手は起床時にこわばって握りにくく、指先がジンジンする一方、足は夕方から夜にかけて足裏がピリピリすることが多くみられます。

主なサインをまとめると、次のようなものがあります。

  • 朝起きたとき、手がこわばって指を握りにくい
  • 指先がピリピリ・ジンジンとしびれる
  • 夕方以降、足の裏や足先の感覚が鈍く感じる
  • 手足の冷えとしびれがセットになりやすい

見落とされがちなのが、「以前はなかった」という変化そのものがサインだということ。ずっと続いていた不調ではなく、ある時期から現れた感覚の変化は、体からのメッセージかもしれません。

しびれと同じくエストロゲンの低下で起こりやすいのが、首や肩のこわばりです。あわせて気になる方は、更年期の肩こりはなぜつらい?身体とこころの負担を減らす実践法を解説もご覧ください。

手指の不調はメノポハンドと呼ばれる更年期特有のサイン

更年期世代の手指の不調には、実は名前がついています。メノポハンド」といって、日本手外科学会が名づけた、更年期前後の女性ホルモン減少に伴って生じる手指の不調をまとめて指す言葉です。

女性ホルモンが減っていく時期には、手指の腱や関節にトラブルが起こりやすくなります。代表的なものが、次の3つ。

  • 手根管症候群(手首で神経が圧迫され、指がしびれる)
  • 腱鞘炎(指の腱がスムーズに動かなくなり、痛みやしびれが出る)
  • 母指CM関節症(親指の付け根が腫れ、動かすと痛む)

「使いすぎかな」「もう歳だから」と自分を責めてしまう方も多いのですが、その背景には女性ホルモンの変化があります。単なる老化や使いすぎだけが原因ではないと知るだけで、少し気持ちが軽くなるのではないでしょうか。

更年期は閉経前後5年ずつ計10年で45〜55歳が中心

更年期とは、閉経の前後5年ずつを合わせた約10年間を指します。日本人女性の平均閉経年齢は約50歳なので、一般的には45〜55歳ごろが更年期にあたります(出典:日本産科婦人科学会「更年期障害」)。

とはいえ、閉経の時期は人によって幅があります。早い方は40代前半、遅い方は50代後半で迎えることもあります。

「まだ40代前半だから関係ない」と決めつけず、可能性のひとつとして頭の片隅に置いておくと安心です。

更年期の手足のしびれはエストロゲン低下が引き金

しびれが出ると、つい「疲れが溜まっているのかな」と自分の中で片づけてしまいがちです。

けれど更年期のしびれには、はっきりした理由があります。おおもとにあるのは女性ホルモン「エストロゲン」の減少です。

そこから血流・むくみ・感覚という3方向の変化が連鎖して起こります。それぞれがどんなふうにしびれにつながるのか、ひとつずつ見ていきましょう。

エストロゲンの減少が手足のしびれを引き起こす

血流の低下で神経に酸素が届きにくくなる

血流の低下は、更年期のしびれを生む要因のひとつです。

エストロゲンには、血管をしなやかに保ち、血のめぐりを助ける働きがあります。ところがこのホルモンが減ると、血管が硬くなり、指先や足先といった末端まで血が届きにくくなります。

神経は酸素と栄養を血液から受け取って働いているため、届く量が減ると神経の反応が鈍り、それがしびれとして感じられるようになります。

朝のこわばりが強いのは、眠っている間に体を動かさず、手の末端の血行が落ちているためと考えられています。起きて手を動かすうちにやわらぐのは、血がめぐり始めるからです。

むくみで神経が圧迫されるとしびれにつながる

むくみも、しびれの引き金になります。

エストロゲンは、体の水分バランスを整える働きにも関わっています。減っていくと、腱や関節の周りの組織がむくみやすくなります。

そのむくんだ組織が近くの神経を押すことで、しびれが起こる場合があります。

代表的なのが、手首のトンネル(手根管)で神経が圧迫される手根管症候群です。メノポハンドの一部でもあり、朝に指がこわばる、親指から薬指がしびれるといった形で現れます。

なお、腕枕をして眠った翌朝に一時的に手がしびれるものとは別で、手根管症候群は姿勢に関係なく続くのが特徴です。

感覚が敏感になり刺激をしびれと感じやすくなる

感覚の変化も、更年期のしびれに関わっています。

エストロゲンは、刺激の感じ方そのものにも影響します。減ると皮膚が敏感になり、これまで気にならなかった刺激をしびれとして受け取りやすくなります。

そのため、医療機関で詳しく調べても、はっきりした原因が見つからないことも珍しくありません。

ここで大切なのは、それが「気のせい」という意味ではないということです。むしろ、検査で大きな異常が見つからないのは、「重い病気が隠れているわけではない」という安心材料でもあります。

感じているしびれは確かに本物で、けれど深刻な病気ではない。その両方を、どうか受け止めていただけたらと思います。

更年期のしびれは片側や進行するなら受診が必要

更年期のしびれだと思っていたら、別の病気が隠れていた。こうしたケースを防ぐために、受診の目安を知っておくことが大切です。

ここでは、見分け方と急ぐべきサインを整理します。

更年期のしびれと病気のしびれは4つの軸で見分ける

更年期のしびれと病気が隠れているしびれは、4つの軸で見分けられます。

まずは下の表で、自分の症状がどちらに近いかを確かめてみてください。

更年期症状と受診すべきしびれの違い

更年期のしびれは、基本的に「朝に強い」「両側」「悪化しない」「冷え程度」というパターンです。

一方で、こわばりが強く、関節が腫れて熱を伴う場合は、関節リウマチなどの膠原病が隠れていることもあります。関節リウマチの主な症状は、関節の痛み・腫れ・朝のこわばりで、手足の指や手首に出やすいと知られています(出典:日本リウマチ学会)。

外来でも、朝のこわばりがなかなか引かない方が、検査のうえでリウマチ専門の外来へ紹介される場面があります。表の右側に当てはまる項目が続くようなら、更年期のしびれと自己判断せず、一度診てもらう選択肢を持っておくと安心です。

 

片側だけ・力が入らないしびれは脳や神経の受診を優先

片側だけ・力が入らないしびれは、脳や神経のトラブルを疑うサインです。

次のような症状があるときは、時間との勝負になる場合があります。

  • 片側の手足だけが急にしびれる
  • 手足に力が入らない、物を落とす
  • ろれつが回らない、言葉が出にくい

すぐに医師の診察を受けた方がいいしびれ

こうしたサインがあれば、ためらわず救急や脳神経内科を受診してください。

急を要さない場合は、しびれの出方に合わせて受診先を選ぶと迷いません。

  • 手指のしびれ・こわばりが中心:整形外科
  • ほてり・のぼせなど更年期症状も伴う:婦人科・内科
  • 片側・脱力・言葉の異常を伴う:救急・脳神経内科

「大げさかもしれない」とためらう気持ちはよくわかります。それでも、通いやすい科からでも大丈夫なので、一度相談してみませんか。原因がはっきりするだけでも、不安はやわらいでいきます。

更年期のしびれは1分からのながらケアでやわらぐ

ここからは、忙しい日でも取り入れやすい「ながらケア」を3つ紹介します。

すべてをやろうと構えなくて大丈夫です。「今日はひとつだけ」というところから試してみてください。

朝の手のこわばりは布団の中グーパーで巡らせる【対処法①】

朝起きた時手のこわばりを気にしてグーパーする40~50代女性

布団の中グーパーは、朝のこわばりをやわらげる手軽なケアです。

眠っている間は手の末端の血行が落ち、朝にこわばりやすくなります。そこで、起き上がる前に手を動かして、めぐりを取り戻します。

やり方はシンプルです。布団の中で両手をゆっくりグー、パーと開いたり閉じたりするだけ。回数は心地よいと感じる程度で十分です。両手をこすり合わせて温めるのもおすすめです。

まだ半分眠っているような朝でもできる手軽さが魅力です。「動かすとやわらぐ」を実感できると、朝の気持ちも少し軽くなります。

指先のしびれはお湯で温めながら指もみで流す【対処法②】

更年期の指先のしびれはお湯で温めながら指もみするといい

お湯を使った指もみは、日中の指先のしびれに向くケアです。

冷えは末梢のしびれと相性が悪いため、温めながらもむことでめぐりを助けます。

手洗いや洗い物のついでに、蛇口のお湯を手に当てながら、指の付け根から指先へやさしくもみほぐしてみてください。1本ずつ流していくイメージです。

ハンドクリームを塗るタイミングに組み込めば、あらためて時間をとらなくても続けられます。

 

足先のしびれはデスク下の足首上げ下げで整える【対処法③】

更年期の足先のしびれはデスク下の足首上げ下げで整える

デスク下の足首上げ下げは、夕方の足先のしびれにおすすめのケアです。

ふくらはぎは「第二の心臓」と呼ばれ、下半身に溜まった血液をポンプのように心臓へ送り返しています。ここを動かせば、滞っためぐりが上へ流れやすくなります。

椅子に座ったまま、両足のかかとをゆっくり上げて、ゆっくり下ろす。これを繰り返すだけです。

会議中でも移動中でも、机の下でさりげなくできます。足首をくるくる回す動きを足すと、冷えのケアにもつながります。

更年期のしびれ対策は温めと体質別の漢方で底上げ

セルフケアで追いつかないときは、漢方薬も選択肢のひとつです。

更年期のしびれに使われる漢方は、体質のタイプによって使い分けます。ここでは代表的な2つと、婦人科での相談について紹介します。

冷え・むくみ型のしびれには当帰芍薬散が選ばれやすい【対処法④】

当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)は、冷えやむくみが気になる方に選ばれやすい漢方です。

血のめぐりと水のめぐりを、あわせて整えることを目指します。体力があまりなく、色白で疲れやすい方に向くとされています。

「手足が冷たい」「なんとなくいつもだるい」「顔色がすぐれない」といった全身の重さを感じている方は、選択肢のひとつとして覚えておくとよいでしょう。

市販の漢方もありますが、婦人科や薬剤師に相談して体質に合ったものを選ぶほうが、続けやすくなります。漢方の詳しい選び方は、更年期に効く漢方薬は?症状・体質別に選び方を解説もあわせて参考にしてみてください。

冷え・しびれ型には牛車腎気丸が向く場合もある

牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)は、冷えとしびれが重なるタイプに向く場合がある漢方です。

手足の冷えとしびれに加えて、腰やひざのだるさがある方に選ばれやすいとされています。下肢のしびれや痛みに使われることもあります。

冷えとしびれが同時に出やすいのは、更年期世代によくみられる傾向です。「足先が冷えるうえに、じんわりしびれる」という方は、こうした選択肢を知っておくと、受診のときに相談しやすくなります。

更年期のしびれに効く漢方は体質・症状で選ぶ

更年期のしびれの漢方は婦人科でHRTとも相談できる【対処法⑤】

漢方は、症状によってはHRT(ホルモン補充療法)と組み合わせられる場合があります。

「HRTには少し不安がある」「まず漢方から始めたい」「両方を試したい」。どの選択肢が合うかは体質や症状によって変わるため、婦人科で相談してみるのがおすすめです。

漢方は、すぐに効き目を求めるものではなく、体質をゆっくり整えていく性質があります。効果を判定する期間は処方によって幅があり、数週間かけて少しずつ変化を感じる方もいます。

合わないと感じたら別の漢方に変えることもできます。自己判断で続けず、専門家と一緒に調整していきましょう。

まとめ|更年期のしびれは今日のスキマ時間から整えていける

更年期の手足のしびれは今日のスキマ時間から整えていける

更年期の手足のしびれは、エストロゲンの低下をきっかけに、血流・むくみ・感覚の変化が重なって起こります。体の仕組みとして自然に生じる変化です。

この記事で押さえておきたいのは、次の3点です。

  • 更年期のしびれは、朝の手と夕方の足に出やすい
  • 片側だけ・力が入らない・進行するサインは、更年期と区別して受診を検討する
  • 布団の中グーパー・お湯での指もみ・足首上げ下げ、そして体質に合った漢方が対処の選択肢になる

「歳のせいだから」と我慢していたしびれも、正体がわかれば向き合い方が見えてきます。まずは気になった対処法をひとつ、今日から試してみませんか。

内側からめぐりを立て直すという選択肢

とはいえ、自律神経の揺らぎや末梢のめぐりは、自分ひとりで整えるのが難しい面もあるでしょう。

女性のためのウィメンズヘルスケアサロン「POWWOW」では、ゆらぎ期の女性に向けた更年期ゆらぎ整体コースをご用意しています。

Powwow、ゆらぎコース

中心となるのは、骨盤の中央にある「仙骨」への調整です。仙骨まわりは自律神経が集まる場所で、やさしくほぐして温めることで、滞っていためぐりが動き出しやすくなると考えられています。

  • 温感ケア:仙骨・お腹・首もとを温め、内臓の冷えと血行にはたらきかける
  • 首肩オイルケア:固まった上半身をほぐし、手先までのめぐりを後押しする
  • お腹・腸ほぐし:お腹まわりをゆるめ、冷えや張りをやわらげる

担当するのは、更年期の女性の体について学んだ女性セラピストです。「朝の手のこわばりがつらい」「足先のしびれが気になる」といった話しづらい悩みも、落ち着いて相談できます。

自宅でできるセルフケアのアドバイスもお伝えするので、日々の中で「めぐらせる習慣」を続けていけますよ。

更年期ゆらぎケアコースの詳細・ご予約は 公式LINEから

 

この記事のライター

清水 彩

清水 彩

看護師
1999年 看護師免許取得し、国立療養所富士病院に看護師として入職
2005年 富士宮市立病院に入職 循環器内科、呼吸器内科など多くの科を経験 (他、消化器内科、脳外科、心臓カテーテル室、内視鏡室)
2008年 呼吸療法認定士取得
2022年 子育てとフルタイム勤務の両立に悩み、退職
2022年 退職後 内視鏡クリニックとデイサービスの非常勤で働きながら フリーランスの看護師として活躍開始 webライター、セミナー講師などで活躍中 看護師の自由な働き方についてSNSで情報発信している