頭痛に歪んだ表情でソファに座る女性

更年期の頭痛はなぜ起こる?原因・症状・対処法ガイド

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更年期を迎えるころになると、女性ホルモン(エストロゲン)の分泌量が大きく変動し、以前とは頭痛の起こり方が違うと感じる方もいます。

ただし、頭痛を更年期のせいだと決めつけるのは禁物です。中には、早めに病院で診てもらったほうがいい症状の場合もあります。

この記事では、更年期にみられる頭痛のタイプと原因、自宅でできるセルフケア、病院に相談すべきタイミングをまとめました。ぜひ参考にしてください。

更年期に起こりやすい頭痛のタイプ

頭痛に悩む女性
更年期の頭痛は、大きく分けて「片頭痛」と「緊張型頭痛」の2つのタイプが多く見られます。まずはご自身の頭痛がどちらのタイプに近いかを確認してみましょう。

片頭痛の症状・特徴

こめかみや頭の片側に、ズキズキと脈打つような痛みが起こるのが片頭痛の特徴です。体を動かすと痛みが悪化しやすく、吐き気や、光・音・匂いへの敏感さを伴うこともあります。

人によっては、頭痛の前に視界がチカチカ光る「前兆(閃輝暗点)」が現れる場合もあります。

もともと月経の前後に片頭痛が起こりやすかった方は、更年期のホルモン変動によって痛みが強くなったり、頻度が増えたりすることが多いです。動くとつらく感じるのが片頭痛の目印で、痛みがあるときは静かで暗い場所で休むと楽になることがあります。

緊張型頭痛の症状・特徴

緊張型頭痛では、頭全体が締め付けられるような重だるい痛みが続きます。片頭痛とは異なり体を動かしても悪化しにくく、肩こりや首のこりを伴うことが多いのが特徴です。

長時間同じ姿勢や、ストレス、目の酷使などがきっかけで起こりやすく、痛みの程度は軽いものから日常生活がつらく感じるものまで幅があります。

痛みが続く時間には個人差があり、数十分でおさまることもあれば、数日続くこともあります。片頭痛と混在して現れることも珍しくありません。

冷やすと楽になる片頭痛とは逆に、緊張型頭痛は肩や首を温めたりマッサージしたりすると血流が促され、痛みがやわらぐことがあります。

更年期に頭痛が起こるのはなぜ?

頭痛でソファにもたれる女性

更年期に頭痛が増える主な原因は、主に以下の3つです。

  • エストロゲンの減少
  • 自律神経の乱れ
  • ストレスや生活環境の変化

それぞれ解説します。

エストロゲンの減少

更年期になると卵巣の働きが低下し、女性ホルモンの一つであるエストロゲンの分泌量が急激に減少します。

エストロゲンは痛みの感じ方に関わる脳内物質「セロトニン」の分泌にも影響を与えているため、その急激な変動が頭痛の引き金になると考えられています。

もともと片頭痛持ちの場合、月経前にエストロゲンが下がるタイミングで頭痛が起こりやすいという方も少なくありません。更年期も同様の仕組みで、しかもホルモンの上下動がより不規則に起こるため、症状が悪化しやすい傾向があります。

エストロゲンの変動は、脳内の神経伝達物質や痛みを伝える仕組みに影響し、片頭痛の引き金になると考えられています。

自律神経の乱れ

エストロゲンの変動は、自律神経の働きにも影響すると考えられています。

更年期にホルモン量が乱高下すると自律神経のコントロールがうまくいかなくなり、血管の収縮・拡張が不安定になることで頭痛が起こりやすくなると考えられています。脳の視床下部という部分が、女性ホルモンの分泌と自律神経の働きの両方を調整する役割を担っており、ホルモンの急な変化が周辺の働きにも影響を及ぼしやすいためです。

自律神経は血管の太さや心拍、体温調整などをコントロールしているため、そのバランスが崩れると頭痛だけでなく、のぼせやほてり、動悸、めまい、冷えといったさまざまな不調が同時に現れやすくなります。

とくに睡眠不足や疲労、気温差などが重なることで、頭痛を感じやすくなる場合もあるでしょう。頭痛だけでなく複数の不調が連鎖的に現れやすいため、他の症状もあわせて医師に伝えると原因を把握しやすくなります。

ストレスや生活環境の変化

更年期を迎える40代後半から50代は、仕事での責任の増加、親の介護、子どもの独立など、生活環境が大きく変わりやすい時期でもあります。

加えて、更年期特有のほてりや不眠、気分の落ち込みといった症状そのものが新たなストレス源になることも少なくありません。心身のストレスがかかると首や肩の筋肉が緊張し血流が悪くなりやすく、緊張型頭痛を悪化させる要因になると考えられています。

さらに、ホルモンの変化による自律神経の乱れと生活環境のストレスが重なることで、頭痛をより強く、頻繁に感じやすくなっている方も多いでしょう。また、頭痛のつらさ自体が新たなストレスとなり、さらに頭痛が起こりやすくなる悪循環に陥るケースも見られます。

この時期は「頭痛だけ」を切り離して対処しようとするより、睡眠や休息を確保しましょう。心身全体の負担を減らす視点を持つことが、結果的に頭痛の軽減にもつながりやすくなります。

頭痛と一緒に起こりやすい症状(肩こり・めまい)

スマホを触りながら肩をおさえる女性

更年期の頭痛は、単独で起こるだけでなく、肩こりやめまいなど他の症状と一緒に現れることも少なくありません。

片頭痛・緊張型頭痛のどちらのタイプでも、こうした症状を併発しやすい傾向があります。

背景にあるのは、更年期に起こりやすい自律神経の乱れです。

エストロゲンの分泌量が不安定になると、血管の収縮・拡張や体温調整、血流のコントロールがうまくいかなくなります。その結果、頭痛だけでなく肩こり、めまい、冷え、動悸といった複数の不調が同時に、あるいは連鎖的に現れやすくなるのです。

とくに肩や首まわりの筋肉がこわばると血流が悪くなり、緊張型頭痛を悪化させる要因にもなります。

逆に、肩こりをやわらげることが頭痛の軽減につながる場合もあるため、頭痛だけを切り離して考えるのではなく、身体全体の状態に目を向けることが大切です。

複数の症状が同時に起こっている場合は、いつ・どのような症状が出るかをメモしておくと、受診の際に医師へ状況を伝えやすくなります。

今すぐできるセルフケア・対処法

ソファでのびをする女性

更年期の頭痛は、我慢するしかないと思われがちですが、日々のちょっとした工夫で和らげられることも少なくありません。

ここでは、ストレッチや生活習慣の見直し、食事の工夫まで、自宅で今日から取り組める対処法を4つ紹介します。無理せず続けられるものから試してみてください。

ストレッチ・軽い運動

首や肩まわりの筋肉をほぐすストレッチは、血流を促し自律神経を整えるのに役立ちます。

とくに緊張型頭痛がある方は、デスクワークの合間に肩をゆっくり回す、両手を組んで頭上に伸ばす、首を左右・前後にゆっくり倒すといった軽いストレッチがおすすめです。デスクワークの合間などに、こまめに取り入れてみましょう。呼吸を止めずに、痛みを感じない範囲でゆっくり伸ばすのがポイントです。

また、ウォーキングなどの適度な有酸素運動も、全身の血流を促し自律神経のバランスを整える効果が期待できます。日々の生活の中で無理なく続けられる範囲で取り入れてみましょう。

ただし、片頭痛が起こっているときに体を動かすとかえって痛みが悪化することがあるため、強い痛みがあるときは無理をせず安静にし、頭痛がないときや軽いときに運動を取り入れるのがおすすめです。

ストレスケア・生活習慣

十分な睡眠と規則正しい生活リズムは、自律神経を安定させる基本です。

毎日同じ時間に起きる、朝に日光を浴びるといった習慣は体内時計を整え、夜の寝つきをよくすることにつながります。就寝前のスマートフォン利用を控える、夕方以降のカフェインを控える、湯船にゆっくり浸かるなど、心身をリラックスさせる時間を意識的に作ることも大切です。

ストレスをためすぎないためには、普段から深呼吸を取り入れるのもおすすめです。鼻からゆっくり息を吸い、口から時間をかけて吐き出す腹式呼吸は、心身をリラックスさせる副交感神経を優位にしやすいといわれています。1日数分でもよいので、気づいたときに試してみましょう。

また、趣味の時間を持つ、好きな音楽を聴くなど、自分に合ったストレス解消法を見つけることも大切です。更年期は「頑張りすぎないこと」自体がセルフケアの一つでもあるため、無理をせず周囲に頼ることも意識してみてください。

大豆食品・イソフラボンなどの栄養面

大豆に含まれるイソフラボンは、体内の腸内細菌によって「エクオール」という成分に変換されると言われています。これがエストロゲンに似た働きをすることから、更年期のゆらぎをやわらげる効果が期待されているのです。

たとえば豆腐や納豆、みそ、豆乳などを日々の食事に取り入れるほか、エクオールを含むサプリメントで補う方法もあります。ただし、エクオールに変換できるかどうかには体質による個人差があり、作れる人と作れない人がいるといわれているため、効果の感じ方にも個人差があります。

また、栄養面では、イソフラボン以外にも意識したい成分があります。更年期以降は骨量が減りやすくなるためカルシウムやビタミンD、自律神経の働きを支えるビタミンB群、貧血予防の鉄分なども合わせて摂ることが大切です。

特定の食品やサプリメントに偏るのではなく、主食・主菜・副菜をそろえた食事を基本に、大豆製品を無理なく取り入れていくことをおすすめします。

市販薬(カロナールなど)の使い方・注意点

痛みがつらいときは、カロナール(アセトアミノフェン)などの市販の鎮痛薬を用法・用量を守って使用すれば、一時的に症状をやわらげることができます。鎮痛薬は、痛みが強くなってから飲むよりも、痛み始めに早めに服用したほうが効きやすいといわれています。

ただし、これはあくまで一時的な対処法であり、頭痛そのものの原因を取り除くものではありません。

鎮痛薬を頻繁に使用すると、かえって頭痛が起こりやすくなる「薬剤の使用過多による頭痛」につながることがあります。

使用日数の目安は薬の種類によって異なります。鎮痛薬を使う日が増えてきた場合は、自己判断で使い続けず医師や薬剤師に相談しましょう。「薬を飲んでも以前ほど効かなくなった」「頭痛の頻度が増えた気がする」といった変化は、その一つのサインと考えられます。

鎮痛剤を使った日を記録しておくと、受診時に状況を伝えやすくなります。月に何度も薬に頼っている場合や、痛みが強くなっていると感じる場合は、自己判断を続けず医療機関に相談しましょう。

受診が必要な頭痛のサイン

医師へ相談する女性

頭痛の中には、すぐにでも受診した方がよい場合があります。今まで経験したことがないほど激しい頭痛や、手足のしびれ・麻痺、ろれつが回らない、意識がもうろうとするといった症状を伴う場合は、命に関わる病気が隠れている可能性があるため、すぐに医療機関を受診してください。

また、そこまで急激ではなくても、「頭痛の頻度や強さが以前と明らかに違う」「市販薬が効きにくくなってきた」といった変化がある場合も、自己判断で様子を見続けず、婦人科や脳神経外科、頭痛外来などを受診することをおすすめします。

具体的には、次のような症状がある場合はとくに注意が必要です。

  • 突然、これまで経験したことがないほど激しい頭痛が起こった
  • 頭痛とともに、手足のしびれや力の入りにくさがある
  • ろれつが回らない、うまく話せない
  • 視界がぼやける、物が二重に見える
  • 頭痛が徐々に悪化し、吐き気やけいれんを伴う
  • 発熱や首の硬直を伴う

これらは、くも膜下出血や脳梗塞、脳静脈洞血栓症など、命に関わる病気のサインである可能性があります。

一つでも当てはまる場合は、様子を見ずにすぐに救急外来を受診してください。

更年期の頭痛治療|HRT・漢方薬

漢方薬の材料

医療機関では、症状の程度に応じてさまざまな治療法が選択されます。代表的なものが「ホルモン補充療法(HRT)」です。

HRTは、主にほてりや発汗などの更年期症状に対して用いられる治療法です。頭痛を含め複数の更年期症状がある場合には、症状や体質を確認したうえで治療の選択肢になることがあります。

一方で、体質や症状によってはホルモン補充療法が向かない場合もあり、その際は漢方薬が選択肢になることもあります。

当帰芍薬散や加味逍遙散など、一人ひとりの体質に合わせて処方されるのが特徴です。どちらの治療が向いているかは、医師と相談しながら決めていくとよいでしょう。

体質やご自身の症状に合った漢方薬の選び方については、こちらの記事も参考にしてください。

更年期の頭痛に対するよくある質問(Q&A)

頭をおさえて俯く女性

ここでは、更年期の頭痛についてよくある質問についてみていきましょう。

更年期の頭痛はいつまで続きますか?

更年期の頭痛が続く期間には個人差があります。

更年期とは一般的に閉経前後の約10年間(閉経前後それぞれ5年程度)を指すといわれており、この間はホルモンバランスが不安定になりやすく、頭痛をはじめとするさまざまな症状が起こりやすい時期とされています。

閉経後にエストロゲンの分泌量が少ない状態で安定してくると、ホルモンの変動そのものが落ち着くため、頭痛も自然と軽くなっていくケースが多く見られます。ただし、もともと片頭痛を持っていた方の場合は、更年期のホルモン変動がきっかけで悪化したものが、閉経後も生活習慣や自律神経の状態によって続くこともあります。

症状の感じ方や続く期間には個人差が大きいため、いつ、どのような痛みが、どのくらいの頻度で起こるかを記録しておくと、原因を見極めやすくなります。つらさが続く場合は無理せず医療機関に相談しましょう。

市販薬(カロナールなど)は使ってもいいですか?

用法・用量を守れば、一時的な対処として市販薬を使用しても問題ありません。

カロナールの主成分であるアセトアミノフェンは、比較的胃への負担が少ないとされる鎮痛薬ですが、それでも空腹時の服用は避け、水と一緒に正しい用量で飲むようにしましょう。

肝臓に持病がある方や、他の薬(風邪薬など)を併用している場合は、成分が重複しないよう、事前に薬剤師に確認すると安心です。

また、鎮痛薬にはアセトアミノフェンのほかロキソプロフェンなどのNSAIDsと呼ばれるタイプもあり、胃への負担のかかり方や効き方の特徴が異なります。

月に何度も使用が続く場合や、薬を飲んでも痛みが改善しない場合、頻度が以前より増えている場合は、自己判断で使い続けず医師に相談することをおすすめします。

頭痛と一緒にめまいや肩こりが出るのはなぜですか?

更年期にはホルモンバランスの乱れによって自律神経が不安定になりやすい時期です。

頭痛だけでなく、めまいや肩こり、冷え、動悸など複数の症状が同時に現れることがあります。とくに肩や首のこりは、筋肉の緊張によって血流が悪くなることで緊張型頭痛と直接つながっていることが多く、肩こりを軽くすることが頭痛の緩和につながる場合もあります。

めまいについては、「ふわふわと浮いたような感じ」と「ぐるぐる回るような感じ」など感じ方に種類があり、自律神経の乱れによるものと、耳の疾患など他の原因によるものとでは対処法が異なります。ぐるぐる回るような強いめまいや、耳鳴り・難聴を伴う場合は、婦人科だけでなく耳鼻咽喉科の受診も検討するとよいでしょう。

受診時には、いつ・どのように現れるかをまとめて医師に伝えると、原因の見極めがしやすくなります。

何科を受診すればいいですか?

婦人科、脳神経外科、頭痛外来などが主な受診先です。

更年期症状の一つとして頭痛が気になる場合は、まず婦人科でホルモンバランスの状態を診てもらうとよいでしょう。日ごろの月経周期の変化やほてり・不眠など他の更年期症状もあわせて相談することで、頭痛が更年期によるものかどうかを判断しやすくなります。

もしも、しびれや麻痺、ろれつが回らない、今までに感じたことのない激しい痛みといった神経症状を伴う場合は、様子を見ずに脳神経外科を受診してください。どこに行けばよいか迷う場合は、まずかかりつけの内科や婦人科に相談し、必要に応じて専門の診療科を紹介してもらう形でも問題ありません。

受診の際は、いつから頭痛があるか、痛みの場所や強さ、どのくらいの頻度で起こるか、市販薬をどの程度使っているかなどをメモしておくと、限られた診察時間の中でも医師に状況を伝えやすくなります。

ホルモン補充療法(HRT)はどんな人に向いていますか?

のぼせやほてり、頭痛など更年期症状が強く、日常生活に支障が出ている方に向いている治療法です。

HRTは、更年期に減少するエストロゲンを薬で補うことで、ホルモンバランスの乱れによる症状を根本的にやわらげることを目指す治療法です。飲み薬、貼り薬、塗り薬などいくつかの剤形があり、体質やライフスタイルに合わせて医師と相談しながら選ぶことができます。

ただし、乳がんや子宮体がんの既往がある方、原因不明の不正出血がある方、血栓症の既往やそのリスクが高い方などは使用できない場合があります。持病がある方や、家族に乳がん・血栓症の既往がある方は、事前に医師へ伝えておくことが大切です。

まずは婦人科を受診し、自分の症状や体質に合った治療法かどうかを判断してもらいましょう。

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まとめ|更年期の頭痛は原因を理解して正しく対処しよう

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この記事のライター

清水聖奈

清水 聖奈

神奈川県横浜市出身。 2013年 正看護師資格取得。急性期病院にて血液内科・呼吸器内科・糖尿病内分泌内科・神経内科を経験。 2018年 回復期リハビリテーション病棟に勤務。 2023年 マーケティングへの興味からWeb業界へ転身。 2024年 SEOライター・ディレクターとして活動開始。年間150本以上のSEO記事制作に携わる。 現在は本業のかたわら、個人でもLINE公式アカウントの運用サポートやメルマガ配信文の作成を行っています。 看護師として培った正確性・責任感・コミュニケーション力を、伝わる文章と導線設計の力に変えて、これからも情報を必要な人に届く形に整えていきます。