
更年期のむくみがつらい|原因と1分からできる対処法を7つ紹介
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「夕方になるとふくらはぎがパンパンで、靴下のあとが夜になっても消えない」「朝、鏡に映った顔がむくんでいて人に会いたくない」「体重は増えていないのに、なんだか太って見える」——40代後半を過ぎたころから、こんなむくみに悩まされていませんか?
マッサージをしても翌朝には元通り。水分を控えても変わらない。「これって更年期?それとも何かの病気?」と、答えの出ないまま日々をやり過ごしている方も多いはずです。
でも、更年期のむくみは「歳のせいだから仕方ない」で終わる話ではありません。原因を知って正しく対処すれば、今日のスキマ時間からちゃんと整えていける不調です。
この記事では、看護師の視点から、更年期にむくみが起こる仕組み、ただのむくみと受診が必要なむくみの見分け方、そして忙しい毎日でも1分からできる対処法を7つにまとめました。読み終わるころには「自分の体に何が起きているのか」「今日、何をすればいいのか」がきっと見えてくるはずです。
更年期のむくみは夕方の脚と朝の顔に出やすい
更年期のむくみには、出やすい場所と時間帯があります。「以前はここまでむくまなかったのに」という違和感の正体を、まずは体の側から見ていきましょう。
更年期のむくみは脚・顔・手の3カ所に集中して現れる
更年期のむくみは、部位によって出やすい時間帯が違います。
| 部位 | 出やすい時間帯 | 具体的なサイン |
| 脚(ふくらはぎ・足首) | 夕方〜夜 | 靴下のあとがなかなか消えない/靴がきつくなる/すねを押すと跡が残る |
| 顔(まぶた・頬) | 起床時 | まぶたが腫れぼったい/頬のラインがぼやける/目が小さく見える |
| 手(指) | 一日を通して | 指輪が抜けにくい/朝、手を握りにくい/指がソーセージのように見える |
脚は重力で日中に水分が下へたまるため夕方にピークを迎え、顔は夜間に横になることで朝に目立ちます。手は一日を通して続きやすく、指輪が抜けにくいことで気づく方が多いです。
「以前は夕方も靴がゆるかった」「朝の顔が今より輪郭がはっきりしていた」——過去との違いを感じたら、それは体からのサインかもしれません。
手のむくみが特に気になる方は、朝起きると手がむくむのは更年期?原因とセルフケア、受診の目安で詳しく解説しています。
更年期のむくみによる体重増加は2〜3kgになることもある
「食べる量は変わっていないのに体重が増えた」——これも更年期世代からよく聞く声です。むくみによって体内の水分量が増え、体重が2〜3kg変動することがあります。日本腎臓学会も「体重が2〜3kg増えると足首のくるぶし付近からむくみ始める」と説明しています(出典:日本腎臓学会)。
ただし増えているのは脂肪ではなく水分です。むくみによる体重増加か、脂肪によるものかは、以下で見分けられます。
- すねを指で押して跡がしばらく残る場合はむくみの可能性が高い
- 朝と夜で1kg以上体重が変動する場合は水分量の影響
- 全体的にたぷっと重く感じる場合はむくみ、お腹だけ出ている場合は脂肪の傾向
「体重が増えたから食事を減らそう」と極端なダイエットに走る前に、それが水分なのか脂肪なのかを見極めることが大切です。脂肪による純粋な体重増加が気になる方は、更年期に体重増加が止まらないのはなぜ?理由や対策方法を解説もあわせて参考にしてみてください。
更年期は閉経前後5年ずつ計10年で45〜55歳が中心
そもそも更年期とは、閉経の前後5年ずつを合わせた約10年間を指します。日本人女性の平均閉経年齢は約50歳なので、一般的には45〜55歳ごろが更年期にあたります(出典:日本産科婦人科学会「更年期障害」)。
ただし閉経の時期には個人差が大きく、40代前半で閉経を迎える方もいれば、50代後半まで生理がある方もいます。年齢だけで決めつけず、体の変化を可能性として視野に入れておくのがおすすめです。
更年期のむくみはエストロゲン低下と筋力低下が原因
「歳のせいだから仕方ない」——そう感じている方に伝えたいのは、更年期のむくみはあなたの体力や努力の問題ではないということ。ホルモン・自律神経・筋肉という3つの要因が重なって起こる、体の仕組みとしての変化です。
更年期のむくみはエストロゲン減少で水分代謝が乱れる
更年期のむくみの出発点になっているのが、女性ホルモン「エストロゲン」の急激な減少です。エストロゲンは、血管をしなやかに保ち、体の水分バランスを整える働きを陰で支えています。
閉経が近づいて卵巣の機能が低下すると、エストロゲンはジェットコースターのように激しく上下しながら減っていきます。すると、血管の柔軟性が落ち、水分を血管の中と組織の間で行き来させる調整もうまくいかなくなり、水が組織にしみ出しやすい状態に。イメージとしては、しなやかだったホースが少し硬くなり、水が漏れ出しやすくなるような感じです。

これは意志の力や気合いでコントロールできるものではありません。「歳のせいで仕方ない」ではなく、体の中で起きている自然な変化として受け止めてもらえたらと思います。
自律神経の乱れで血行不良が更年期のむくみを加速する
エストロゲンは自律神経のバランスとも深く関わっています。エストロゲンが減ると自律神経が揺らぎやすくなり、末梢の血管が収縮して手足の血行が悪くなります。血行が悪くなれば水分も滞りやすくなり、冷えとむくみがセットで現れるのが更年期世代の特徴です。
「足先が冷たいのに、ふくらはぎはむくんでいる」——一見バラバラに感じるこの2つの症状は、実は同じ根っこから来ています。冷えの改善とむくみの改善は、両輪で考えるのが近道です。
更年期のむくみは筋力低下でポンプ機能が弱るのも一因
もう一つ見落とせないのが、筋力の低下です。ふくらはぎは「第二の心臓」と呼ばれ、下半身にたまった血液や水分をポンプのように押し上げる役割を担っています。
加齢に加えてデスクワーク中心の生活が続くと、このポンプ機能が弱くなり、脚に水がたまりやすくなります。「昔は同じ生活をしていてもむくまなかったのに」と感じるのは、気のせいではなく筋肉の変化が背景にあるのです。裏を返せば、ふくらはぎを少しでも動かしてあげれば、ポンプはちゃんと働いてくれます。
更年期のむくみは押して跡が10秒以上残る場合は要受診
更年期のむくみだと思っていたら、別の病気が隠れていた——このケースを防ぐために、受診の目安を知っておくことがとても大切です。
ただのむくみと病気のむくみは4つの軸で見分ける
まずは、更年期のむくみと病気が隠れているむくみを、4つの軸で見分けてみましょう。
| 見分ける軸 | 更年期のむくみ | 病気が疑われるむくみ |
| 押した跡の戻り | 数秒で戻る | 10秒以上残る/指の形がくっきり残る |
| 左右差 | 両脚に出る | 片脚だけ/急に片側だけ腫れる |
| 随伴症状 | 冷え・疲労感を伴う程度 | 息切れ・動悸・尿量減少・強い倦怠感 |
| 変化のスピード | じわじわ悪化 | 数日で急激に体重が2kg以上増える |
更年期のむくみは基本的に「両脚」「夕方に悪化」「押しても数秒で戻る」というパターンです。腎臓の病気によるむくみは左右対称的で、心臓や肝臓が原因の場合は指で押すと跡が残りやすいことが知られています(出典:日本腎臓学会)。上の表で右側に当てはまる項目が一つでもあれば、更年期のむくみとして自己判断せず、医療機関で診てもらう選択肢を持ってほしいと思います。

片脚だけや息切れを伴うむくみは循環器内科へ
特に注意してほしいのが、以下のようなサインです。
- 片脚だけが急に腫れて熱を持っている(深部静脈血栓症の可能性)
- むくみに加えて息切れや動悸がある(心不全のサイン)
- まぶたのむくみが強く、尿の量が減っている(腎臓病の可能性)
- 数日で体重が2kg以上増えた(急激な水分貯留)
こうしたサインがある場合は、更年期外来ではなく循環器内科や腎臓内科への受診が優先です。「大げさかも」と迷う気持ちは分かりますが、これらは放置すると命に関わることもある症状。まずはかかりつけの内科に相談してから紹介状を書いてもらう流れでも問題ありません。
一方で、両脚が夕方に張る・朝の顔がむくむ・靴下のあとが夜まで残る、といった更年期らしいむくみで、日常生活に支障が出るレベルであれば、婦人科や更年期外来がおすすめです。ホルモンの状態を含めてまとめて診てもらえます。
更年期のむくみは1分からのながらケアで整える
ここからは、忙しい毎日でも「気力ゼロでもできる」ながらケアを3つ紹介します。全部やろうとしなくて大丈夫。今日、一つだけ試してみてください。
夕方の脚のむくみはデスク下ふくらはぎポンピングで流す【対処法①】
夕方、デスクで脚がパンパンになった瞬間にできるのがふくらはぎポンピングです。椅子に座ったまま、両足のかかとをゆっくり上げて、ゆっくり下ろす——これを20回繰り返すだけ。ふくらはぎのポンプ機能が動き、たまった水分が上へ流れていきます。
会議中でも、電車の中でも、机の下でこっそりできるのがポイント。1日3〜5回、思い出したタイミングで繰り返すのが理想です。「運動」ではなく「貧乏ゆすりの丁寧版」くらいの気軽さで大丈夫。

朝の顔のむくみは鎖骨さすりで上半身のリンパを流す【対処法②】
朝、鏡を見て顔のむくみに気づいた瞬間に使えるのが鎖骨さすりです。洗顔のあと、鎖骨のくぼみに沿って中心から外側へ、指をゆっくり滑らせていくだけ。左右それぞれ10回、時間にして30秒ほどでOKです。
顔にたまった水分の出口は鎖骨まわりにあります。顔だけをマッサージしても水分の逃げ道がないので、出口である鎖骨を先に整えるのがポイント。メイク前のルーティンに組み込めば、続けやすくなります。

湯船で足首を30回回せば脚のむくみと冷えを同時に整える【対処法③】
夜のバスタイムにおすすめなのが湯船での足首回しです。40度前後のお湯に肩まで浸かりながら、足首を左右それぞれ30回ずつゆっくり回します。足首を動かすことで、ふくらはぎだけでなく股関節まで連動して緩み、脚全体の巡りが整います。
シャワーだけで済ませてしまう日が続くと、末端の冷えとむくみは悪化しがち。「今日は疲れて無理」と思う日ほど、5分だけでも湯船に浸かる価値があります。
更年期のむくみ対策は塩分を減らしてカリウムで巡らせる
食事の面でも、むくみを整えるコツがあります。ここで大切なのは、「水分を減らす」のではなく「塩分の出し入れを整える」という発想の転換です。
水分制限はむくみを改善せず脱水や血栓のリスクを上げる【対処法④】
「むくむから水を控える」——実はこれ、逆効果になることが多い対処法です。水分を制限すると、体は「水が足りない」と判断して、逆にため込もうとします。さらに血液がドロドロになり、脱水や血栓のリスクが上がることも。
更年期世代の女性が1日に必要な水分量の目安は、食事以外で1.2〜1.5L。一度にたくさん飲むのではなく、コップ1杯を1日6〜8回に分けて、こまめに摂るのが基本です。冷たい水は内臓を冷やしてしまうので、常温か白湯がおすすめ。「水分=むくみの原因」という思い込みを、ここで一度手放してもらえたらと思います。
塩分の摂りすぎが原因のむくみにはカリウム食材が役立つ【対処法⑤】
むくみの原因になりやすいのは、水分そのものではなく塩分(ナトリウム)の摂りすぎです。塩分を摂りすぎると、体は濃度を薄めようとして水分をため込みます。この余分な塩分を体の外へ出す手助けをしてくれるのが「カリウム」です。厚生労働省もカリウムにはナトリウムの排出を促す作用があると説明しています(出典:厚生労働省 e-ヘルスネット)。
カリウムが多く含まれる食材を、日常の食事に少しずつ取り入れてみてください。
| 食材ジャンル | 具体例 | 取り入れ方のヒント |
| 果物 | バナナ・キウイ・アボカド | 朝食に1品プラス |
| 野菜 | ほうれん草・小松菜・トマト | 味噌汁やサラダに |
| 海藻類 | わかめ・ひじき・昆布 | 味噌汁・酢の物に |
| 豆類 | 大豆・納豆・豆腐 | 1日1品を目安に |
| いも類 | さつまいも・里芋 | おやつや副菜に |
全部揃えようとしなくて大丈夫。朝食にバナナを1本足すだけでも、カリウムはしっかり摂れます。ただし腎機能に不安がある方や、腎臓の治療中の方は、カリウム摂取量を制限されている場合があるので、必ず主治医に相談してください。
脚のむくみ対策の着圧ソックスは日中に履くのが基本【対処法⑥】
夕方の脚のむくみ対策として人気の着圧ソックス。実は「いつ履くか」で効果と安全性が変わります。
- 日中〜夕方:日中用(強めの圧)を履くのが基本
- 就寝時:日中用は外し、履くなら夜用の低圧タイプに切り替える
- きつすぎるサイズはNG:血流を阻害してしまうため、締め付けで痛みを感じるものは避ける
- 医療用弾性ストッキング:静脈瘤などで処方されたものは医師の指示に従う
「もっと圧が強い方が効きそう」と思って強すぎるものを選ぶと、かえって血流を止めてしまいます。適度な圧のものを、正しい時間に履くのが基本です。
更年期のむくみに使う漢方は体質タイプで選び分ける
セルフケアで追いつかないとき、選択肢として考えたいのが漢方薬です。更年期のむくみに使われる漢方は、体質のタイプによって使い分けます。

冷え・疲労型のむくみには当帰芍薬散が選ばれやすい【対処法⑦】
体力があまりなく、色白で冷え性、疲れやすい——このタイプの方によく選ばれるのが当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)です。血のめぐりと水のめぐりを同時に整える働きがあり、むくみだけでなく冷えや月経不順にも使われます。
「なんとなくいつも疲れている」「手足が冷たい」「顔色があまり良くない」といった全身のトーンダウンを感じている方は、婦人科や薬剤師に相談してみてください。市販の漢方もありますが、自己判断で長く飲み続けるより、体質を診てもらったうえで処方される方が納得感を持って続けられます。
のぼせ・イライラ型のむくみには加味逍遙散が向く
一方、ほてりやのぼせがあり、気分の波が激しくてイライラしやすいタイプの方に向くのが加味逍遙散(かみしょうようさん)です。自律神経の揺らぎを整える働きがあり、更年期の精神症状とセットで悩んでいる方によく処方されます。
「イライラして家族に当たってしまう」「気分の浮き沈みが激しい」「のぼせと冷えが同居している」——こうした症状に心当たりがある方は、選択肢の一つとして知っておくと安心です。漢方の詳しい選び方は、更年期に効く漢方薬は?症状・体質別に選び方を解説もあわせて参考にしてみてください
更年期のむくみの漢方は婦人科でHRTとも併用できる
漢方薬は即効性を狙うものではなく、体質をゆっくり整えていく性質のものです。効果の感じ方には個人差があり、飲み始めてすぐに実感する方もいれば、数週間かけて少しずつ変化を感じる方もいます。合わないと感じたら別の漢方に変更することもできるので、まずは婦人科で相談してみるのがおすすめ。
HRT(ホルモン補充療法)と漢方の併用も、婦人科で相談できる選択肢の一つです。「HRTは少し不安」「まず漢方から始めたい」「両方組み合わせたい」——どの選択肢が合うかは、体質と症状によって変わります。自己判断で決めず、婦人科医と一緒に選んでいくのが安心です。
まとめ|更年期のむくみは今日のスキマ時間から整えていける

更年期のむくみは、エストロゲンの低下によって水分代謝や自律神経が揺らぎ、ふくらはぎのポンプ機能まで弱ることで起こる、体の仕組みとしての自然な変化です。だからこそ、水分を控えたり一時的にマッサージしたりする対処では追いつかず、原因の側から整えていくことが必要になります。
大切なのは、まず「更年期らしいむくみ」か「病気が隠れているむくみ」かを見極めること。そのうえで、ふくらはぎを動かす・鎖骨をさする・湯船で足首を回すといったスキマ時間のケアと、塩分を減らしてカリウムで巡らせる食事を、無理なく暮らしに組み込んでいけば大丈夫です。
「歳のせいだから」と諦める必要はありません。仕組みが分かれば、対処法もちゃんと見えてきます。「ためる時期」から「整える時期」へ——その切り替えは、今日のスキマ時間から始められます。
心と体を、内側からゆるめていくという選択肢
更年期のむくみの背景には、エストロゲン低下による自律神経の揺らぎと、血流・水分代謝の停滞があります。表面をマッサージするだけでは戻ってしまうむくみも、体の中心から巡りを立て直すことで、変化を感じやすくなることがあります。

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- 首肩オイルケア:固まった上半身をほぐし、顔まわりの巡りをサポート
施術を担当するのは、更年期の女性の体について学んだ女性セラピスト。「靴下のあとが気になる」「朝の顔がつらい」といった話しづらい悩みも安心して相談できます。自宅でできるホームケアもお伝えするので、日々の中で「巡らせる習慣」を続けていけます。
この記事のライター
看護師
1999年 看護師免許取得し、国立療養所富士病院に看護師として入職
2005年 富士宮市立病院に入職 循環器内科、呼吸器内科など多くの科を経験 (他、消化器内科、脳外科、心臓カテーテル室、内視鏡室)
2008年 呼吸療法認定士取得
2022年 子育てとフルタイム勤務の両立に悩み、退職
2022年 退職後 内視鏡クリニックとデイサービスの非常勤で働きながら フリーランスの看護師として活躍開始 webライター、セミナー講師などで活躍中 看護師の自由な働き方についてSNSで情報発信している







